冬らしくなりました。
外来はあったかいのですが、お母さんや子どもの恰好がもこもこなので、
きょうはきっと日中も寒かったんだろうな。
外来で発達の相談をさせていただいている男の子とお母さん。
弟と一緒に、わたしのおもちゃいれをあっというまにうばって、
中身をみーんな、床に放り投げてしまいました。
外来がひととおり終わって歩いていたら、売店の前に座っている3人を見つけました。
声をかけてベンチに座ってお話ししていたときに、お母さんが一言。
「あのね、でもね先生、いたずらも大変なんだけど、
いたずらでできることも、増えたんだな、って、、、」
わたしが "いたずらでもできることがふえましたね" というのと、
毎日ずっといっしょにいるお母さんがそうおっしゃるのとでは、
きっと違った重みがあると思います。
●くん、すごいね。お母さんも、ほんとにすごいね。
できることが増えたって一緒に喜んでもらえて、ほんとによかったね。
こころぽかぽかあったかくなった、外来からの帰り道でした。
(小児科医 山口有紗)
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<プロフィール>
小児科医師。専門は子どものこころ。
目指しているのは、「子どもとその周囲が、少ししんどいときにこそ、安心してつながることのできる社会」。
高校を中退後、単身渡英し、ロンドンのインド人病院でボランティアを行う。
帰国後は京都で働きながら児童養護施設や不登校の子どもとかかわる。
大学入学資格検定に合格後、立命館大学国際関係学部で開発支援や母子保健を学び、約30の国や地域を歴訪。
卒後山口医学部に編入し、医師免許取得。国立国際医療研究センター病院小児科コース研修医、東京大学医学部附属病院小児科、茅ヶ崎市立病院小児科を経て、2017年4月より国立成育医療研究センターこころの診療部や児童相談所などで子ども・家族のこころの診療に従事。
診療の傍ら、子どもに関わる多様な専門家がつながるコミュニティ「こども専門家アカデミー」を主宰している。
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