きょうの診察室

Vol.66

いまの声かけ、すてき

ご家族によく、お子さんがいいことをしたら、即座にほめてくださいね!とお伝えします。
けれど、きっとご家族だって、すんごくがんばっているし、
それをちょこちょこ、すぐにほめられる経験があったほうが、
お子さんをほめるメリットも実感しやすいのではないかなと思います。

だからわたしも、できるだけアンテナをはって、
ご家族の素敵なポイントをいつも探しています。

乳児健診で、お姉ちゃんが、赤ちゃんの投げたおもちゃをひろったのを、おかあさんがすぐほめたとき。
もしもしで泣かなかったのを、お父さんがすぐにほめたとき。
まだ単語の出ないお子さんが車を持っているのを見て、ご家族がくるまだねえとにこにこ声掛けをしているとき。
おうちでお子さんが作った作品を、荷物が増えるのをいとわずにわざわざ持ってきて見せて「うまいんですよ」と教えてくれたとき。

「いまの声かけ、すてきですねえー!」
と、すぐにわたしも、声をかけるように心がけています。

子どもも家族も、ほめるところがたーくさんです。
いいとこさがしの循環、診察室の中でも、回るといいな。
みなさんのおうちでも、ぜひおとな同士がまずほめあってみると、
毎日がちょっと変わるかもしれません。

(小児科医 山口有紗)

山口先生のきょうの診察室への想いについてはこちら。
https://www.kidsrepublic.jp/pediatrics/today/detail/vol00.html



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<プロフィール>

小児科医師。専門は子どものこころ。
目指しているのは、「子どもとその周囲が、少ししんどいときにこそ、安心してつながることのできる社会」。
高校を中退後、単身渡英し、ロンドンのインド人病院でボランティアを行う。
帰国後は京都で働きながら児童養護施設や不登校の子どもとかかわる。
大学入学資格検定に合格後、立命館大学国際関係学部で開発支援や母子保健を学び、約30の国や地域を歴訪。
卒後山口医学部に編入し、医師免許取得。国立国際医療研究センター病院小児科コース研修医、東京大学医学部附属病院小児科、茅ヶ崎市立病院小児科を経て、2017年4月より国立成育医療研究センターこころの診療部や児童相談所などで子ども・家族のこころの診療に従事。
診療の傍ら、子どもに関わる多様な専門家がつながるコミュニティ「こども専門家アカデミー」を主宰している。

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