きょうの診察室

Vol.21

チームができたみたい

ある女の子が「いすをかいてもいい?」
と聞くので、どうぞ、と紙をわたすと、

「いすいすいすいす」
と、いっぱいに書かれた紙をくれました。

あ、絵ではなかったのか!いす、たくさん書けたねぇ。
お母さんと顔を見合わせて笑いました。
お母さんがすかさず上手にその子をほめてハイタッチをしてくれました。

「それにしてもお母さん、出逢って半年くらいになりますが、
●ちゃんもいっぱいできることが増えたし、
お母さんの、ほめ方やかかわり方が、本当に上手になりましたよね。
わたし、お母さんのことを尊敬しています。」

とお伝えすると、お母さんの顔が母モードからゆるんで、涙があふれてしまいました。

「なんだか不思議なんですよ。
人を頼っていると、頼っているうちに、ひとりじゃなくて実はいろいろ助けてくれる人がいて、
なんだかチームができてきたみたいな、、、」

うんうん。依存先がたくさんあると、人は安定するように思います。
そうお伝えして、外来を終えました。

「チーム」という言葉は、いろんなところで汎用されます。
お母さんの口から発せられた「チーム」のようなものこそ、
わたしたちが、子どもや家族をサポートするうえで大切な支えではないかと感じます。

同じ目的で、違う視点で子どもと家族を囲んでいる人たち。
本当に「チーム」になるために、そのそれぞれが、うまく情報共有をして、上手につながれたらなおいいな、と日々考えています。

(小児科医 山口有紗)



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<プロフィール>

小児科医師。専門は子どものこころ。
目指しているのは、「子どもとその周囲が、少ししんどいときにこそ、安心してつながることのできる社会」。
高校を中退後、単身渡英し、ロンドンのインド人病院でボランティアを行う。
帰国後は京都で働きながら児童養護施設や不登校の子どもとかかわる。
大学入学資格検定に合格後、立命館大学国際関係学部で開発支援や母子保健を学び、約30の国や地域を歴訪。
卒後山口医学部に編入し、医師免許取得。国立国際医療研究センター病院小児科コース研修医、東京大学医学部附属病院小児科、茅ヶ崎市立病院小児科を経て、2017年4月より国立成育医療研究センターこころの診療部や児童相談所などで子ども・家族のこころの診療に従事。
診療の傍ら、子どもに関わる多様な専門家がつながるコミュニティ「こども専門家アカデミー」を主宰している。

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