ある女の子がひらがなの勉強をしていました。
"にんげんは、かんがえるとき、あたまをつかいます。"
教科書の文章。
おお、すごい内容だなぁと思いつつ、、、
「がんばってるねえ。○○ちゃんは、あたまを使うとどんな気持ちになる?」
と聞いてみました。
「んー、、うれしくなる!!」
「そうかぁ! じゃ、あたまを使わないときは?」
「んー、、、かなしくなる!」
特に言葉を獲得していく過程のこどもは、
おとなの言葉に誘導されて、いろいろな単語を発することが多いです。
「痛い?」「、、、いたい」
「痛くない?」「、、、いたくない」
(どっちだ・・・??)みたいなことは診療でしばしばあることです。
おとなの言葉がけによって、こどもが発する言葉は大きく変わってきます。
だからこそ、こどもへの言葉がけは、意識的に、
こどもからポジティブで、そのこどもが自信を持てる言葉が引き出せるようなものにできたらいいな、と思います。
さらに、おとな同士の会話も、こどもに大きな変化をもたらすことを意識すると、
おとなの世界にもポジティブな単語が、増えるかもしれませんね。
(小児科医 山口有紗)
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<プロフィール>
小児科医師。専門は子どものこころ。
目指しているのは、「子どもとその周囲が、少ししんどいときにこそ、安心してつながることのできる社会」。
高校を中退後、単身渡英し、ロンドンのインド人病院でボランティアを行う。
帰国後は京都で働きながら児童養護施設や不登校の子どもとかかわる。
大学入学資格検定に合格後、立命館大学国際関係学部で開発支援や母子保健を学び、約30の国や地域を歴訪。
卒後山口医学部に編入し、医師免許取得。国立国際医療研究センター病院小児科コース研修医、東京大学医学部附属病院小児科、茅ヶ崎市立病院小児科を経て、2017年4月より国立成育医療研究センターこころの診療部や児童相談所などで子ども・家族のこころの診療に従事。
診療の傍ら、子どもに関わる多様な専門家がつながるコミュニティ「こども専門家アカデミー」を主宰している。
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