プレママジャーナル

39週

予定日を超えても陣痛がこなかったら?

予定日は妊娠40週0日に設定されていますが、なかなか陣痛がこず、予定日までに出産とならないお母さんたちもいらっしゃいます。予定日が近づいてきているのに、いっこうに産まれる気配がない。どうしたらいいのだろう。予定日を超えたら病院ではどういう対応がされるんだろう。そんな疑問にお答えします。
実際には通院先の病院によって管理方法が異なることもありますので、ここではなるべく客観的に、妥当だと考えられている内容をご紹介します。

■予定日を超えると、少しずつ胎盤の機能が落ちてくるケースがあります

予定日を超えると焦ってきてしまうお母さんもいらっしゃいますが、産科医は予定日を超えたとしてもすぐに焦るわけではありません。ただ、胎盤は徐々に古くなってきてしまうため、予定日を超えた場合には、羊水量が減ってきていないか、赤ちゃんは元気にしているかなどを注意深くチェックします。
特に、妊娠42週を超える(過期妊娠)とそれらのトラブルが急に増えてくると言われています。そのため、可能な限り、妊娠41週6日までに出産となるよう方針が検討されます。

■予定日を超えると健診間隔を短く設定している病院が多いです

上記の理由から、羊水や赤ちゃんの細かなチェックを行うために、健診間隔を短くする必要が出てきます。
日本の産科診療ガイドラインで「妊娠41週以降の対応は?」という項目に記載されている内容は以下の通りです。

•妊娠週数のズレがないかを再確認する
•赤ちゃんの元気さを2回/週以上のペースで確認する
•妊娠41週台では、陣痛が来るのを待ってもいいし、分娩誘発をしてもいい(個別対応)
•妊娠42週0日以降は、原則として分娩誘発を勧める

なお、分娩誘発とは、医療器材や薬剤を用いて陣痛を起こし、出産を目指す方法です。詳しくは後述しています。
また、実際には、妊娠40週を超えた時点から週に2回のペースでチェックする病院も少なくありません。

■分娩誘発には2つのステップがあります

陣痛が起きていない状態から陣痛を人工的に起こし、出産を目指すには、大まかに2つのステップがあります。これらは入院した上で行われます。

1)まず子宮口(子宮頸管:子宮の入り口)を開いてあげる
陣痛を起こすための薬剤(子宮収縮促進薬:オキシトシンなど)は、子宮口が全く開いていない状態では効果が薄いことが知られています。このため、まずは子宮口を軟らかくして、少し開く必要があります。
このとき、医療用器材を用いて物理的に広げることが一般的です。具体的には、硬めのスポンジのような棒状の吸湿性頸管拡張剤や、メトロイリンテル(水風船のような医療用器材)を子宮口に挿入し、半日から1日程度おいて徐々に子宮口が開くのを待ちます。ただし、入院した時点で子宮口が開いてきている場合には、この処置は省略されることもあります。

2)陣痛誘発剤(子宮収縮促進薬)を投与して陣痛を起こす
子宮口がある程度軟らかくなり、開いてきたら、いよいよ陣痛誘発剤の投与が行われます。これには飲み薬と点滴薬があり、それぞれの妊婦さんの状況に合わせて使い分けられます。
しっかりとした陣痛が起こるまでの時間は個人差が大きいため、陣痛誘発剤を始めてから何時間後に産まれるかという一般的な目安はありません。もし、数時間投与しても効果が乏しければ、その日は投与を中止して翌日に仕切り直すこともあります。

以上が概要になりますが、具体的な処置や薬剤の種類、順番、必要な日数などは、主治医の先生によく確認することが大切です。

■もっと詳しく:予定日前後までに産まれるのは全体の85%程度です

予定日とはあくまでも一つの目安であり、陣痛が来るのは予定日ちょうどとは限りません。「陣痛がいつ来るか」は医師でも予測が難しいのです。日本の過去のデータをみると、妊娠37-38週台での出産が15-20%、妊娠39-40週台が65-70%、41週台が15%程度で、ばらついていることがわかります。なお、42週を超える過期妊娠は約1%ほどと言われています。

予定日を超えてしまうと、いつ陣痛が来るのか不安に思われる方も少なくありません。しかし、健診はより細かくなって注意深く赤ちゃんのチェックはしてくれますし、赤ちゃんが元気ならまぁいいか、というくらいにおおらかな気持ちでいることも精神衛生上は重要です。パートナーと一緒にゆっくり散歩をするなど、最後の妊娠期間を1日1日、大切に過ごしていけるといいですね。

産婦人科医 重見大介

<自己紹介>

「妊娠出産を誰もが明るく前向きに迎え、送れる社会」。
産婦人科の医療現場と、公衆衛生学の視点を通して、このような社会を実現する一助になることを、自身の目標としています。
キッズリパブリックから、皆さんのマタニティライフが少しでも安心で明るくなるよう、応援しています!

<略歴>

2010年 日本医科大学 卒業
2010-2012年 日本赤十字社医療センターで初期臨床研修(産婦人科プログラム)
2012-2017年 日本医科大学付属病院 産婦人科学教室- NICU(新生児集中治療室)、麻酔科を含め関連病院で産婦人科医として勤務
2017年4月 東京大学大学院公共健康医学専攻(SPH) 進学
2018年3月 同大学院卒業
2018年4月〜 東京大学大学院博士課程(医学部医学系研究科 臨床疫学・経済学教室)進学

<保有資格>

産婦人科専門医、公衆衛生学修士。
他に、NCPR(新生児蘇生法)インストラクター(Jコース)、検診マンモグラフィ読影認定(千葉県)。

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