「乳首に傷ができてしまったけど、どうすればいいですか?」「乳首が痛くて授乳が苦痛です!」とは、産後のお母さんからよく聞く悩みのひとつです。
助産師の立場から、乳首に傷ができたときの対処法や予防法をお伝えします。
■乳頭の痛み、我慢しないで!
乳頭の痛みは、母乳をあげている出産直後の母親に最も多い悩みだと言われています。乳頭の痛みを我慢して授乳を続けると、乳腺炎が起こったり、ストレスが増え母乳育児を続けられなくなったりする可能性があります。乳首の痛みを我慢しなくて済むよう、一緒に解決法を考えてみましょう。
■乳首の痛み、どうしたらいいの?まずは赤ちゃんの授乳姿勢とおっぱいのくわえ方を変えてみて
乳首が痛いとき、多くの対処法が試されています。「搾乳だけにして直接母乳をあげない」、「ニップル・シールドを使う」といった方法も耳にしますが、実はこういった方法では乳頭の痛みや傷の回復はあまり期待できません。
唯一、「赤ちゃんの授乳姿勢とおっぱいのくわえ方を修正する」ことで、乳頭の痛みや傷が治ったり、母乳を与える期間が長くなったりする効果があると言われています。
もちろん、傷が深く痛みが激しい場合や、くわえさせるストレスが大きい場合には、少しお休みした方がいい場合もあります。我慢に我慢を重ねることはありませんよ!
■乳首が痛くない「正しい授乳姿勢」と「赤ちゃんのおっぱいのくわえ方」とは?
「正しい授乳姿勢」にはいくつかのポイントがあります。横抱きの場合、
(1)お母さんと赤ちゃんのお腹が向き合って密着し、
(2)赤ちゃんの身体が頭からお尻までねじれずまっすぐで、
(3)赤ちゃんの口と乳首が同じ高さにある、
というのがいい姿勢です。そのまま、お母さんが前かがみになるのではなく、赤ちゃんを引き寄せるようにします。
「正しいおっぱいのくわえ方」のためには、赤ちゃんの口が大きく開いたタイミングで引き寄せ、乳輪が隠れるくらい深く吸わせてみてください。このとき赤ちゃんの唇はアヒルのように外向きに広がっています。
いかがでしたか?
乳頭の傷ができた場合も、「正しい姿勢とおっぱいのくわえ方」での授乳を続けた方が治りが早いなんて、オドロキですね!
痛みの感じ方や赤ちゃんの吸い方には個人差が大きいので、無理せず、焦らず、痛くない授乳法を探求していきましょう。
産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後の不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。
(助産師 中村早希)
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