産婦人科オンラインジャーナル

2021.01.22

哺乳瓶の乳首は飲むけど、ママのおっぱいは拒否!これってなぜ?

出生後、何らかの理由で直接ママのおっぱいを飲むことができず、哺乳瓶の人工乳首で授乳をしていた赤ちゃんにママのおっぱいを吸わせようとしたら、飲むのを拒否された経験はありませんか?また、今まで問題なくおっぱいを飲んでいたのに、急におっぱいを嫌がるという経験をされるママもいらっしゃいます。それは「乳頭混乱」の可能性が考えられます。

■「乳頭混乱」とは、哺乳瓶の乳首は飲めるけど、ママのおっぱいは嫌がる状態です

哺乳瓶の乳首だと飲むけれど、ママのおっぱいは拒否する状態は「乳頭混乱」と呼ばれています。もちろん、哺乳瓶の乳首を使用しながら、ママのおっぱいも全く問題なく飲める赤ちゃんもいます。ママからすると、自分のおっぱいに近づくと泣きじゃくる赤ちゃんを目の前に「なんで私のおっぱいだけ嫌がるの?」と辛くて悲しい気持ちになりますよね。では何故、乳頭混乱を起こす赤ちゃんがいるのでしょう。

■「哺乳瓶とママの乳首の感触の違い」が拒否の原因かもしれません

乳頭混乱を起こさないためにできることは、出生後の初回授乳から、哺乳瓶の人工乳首による哺乳を避け、できる限りママのおっぱいを直接吸うことに慣れさせることです。また、乳頭混乱を起こした場合、赤ちゃんにとって乳房が心地よく安心できるものとなることが大切です。決して無理強いせず、焦らないように、まずは赤ちゃんのご機嫌がいいときに「肌と肌の触れあい」から始め、優しく語り掛けたりあやしたり、歌を歌ったりして乳房に近づけていきましょう。

そして人工乳首やおしゃぶりなどを避け、ママのおっぱいを搾乳して、哺乳瓶ではなくカップやスプーン、スポイトなどで与えるようにしてみることで改善される可能性があります。

■乳頭混乱を起こしても、すぐに母乳育児を諦める必要はありません

乳頭混乱を起こす明確な原因はわかっていませんが、哺乳瓶やおしゃぶりなどの人工乳首の使用がひとつの大きな要因であると考えられています。たとえ乳頭混乱を起こしても、ママが母乳育児を希望する場合は、毎回の授乳で根気よくおっぱいを吸わせる練習を続けながら、搾乳を行って、哺乳瓶以外での授乳を行うといいでしょう。すぐに母乳育児を諦める必要はありません。
ママが一人で取り組んでもうまくいかない時は、助産師にご相談くださいね。

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(助産師 鈴木久美)

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