産婦人科オンラインジャーナル

2020.08.07

新型コロナウイルスが広まる中、定期検診はどうする?緊急で産婦人科受診が必要な状況は?

新型コロナウイルスの感染拡大は未だに終息の目処が立っていません。そのような中で、産婦人科に早く受診するべきなのか、ご自身では迷う症状があるかと思います。
今回は、新型コロナウイルスが広まる中で、急いで産婦人科を受診してほしい症状や疾患について説明します。

■婦人科の定期検診を延期できる場合とそうでない場合について

婦人科の定期検診には、子宮頸がん検診や子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮内膜症などの婦人科疾患の定期受診が含まれます。
新型コロナウイルスが蔓延している間は、症状や体調に緊急性がなければ、婦人科の定期検診の次回受診日を延期しても問題にならないケースが多いでしょう。新型コロナウイルスにさらされるリスクが低くなるまで検診を延期できるかどうか、主治医に相談してみることをお勧めします。
なお、緊急事態宣言が出されておらず、地域の感染者数が急増していない状況であれば、通常通り受診しても良いだろうと考えられます。

ただし、「最近病状が悪化している傾向がある」、「新しい治療を始めたばかりで効果や副作用を確認したい」という場合は、予定通りの検診が必要となりますのでご注意ください。

■すぐに産婦人科を受診した方が良い症状や疾患は?

緊急性が高い場合は、早急に診察を受ける必要があります。すぐに受診が必要な緊急性の高い例は以下のようなものです。
1. 新型コロナウイルスとは関係のない発熱や腟感染症 (痛みや痒みが強いもの)
2. 異所性妊娠の疑い (妊娠の可能性があり強い腹痛や出血などがある場合)
3. 手術後1ヶ月以内で体調や創部に異常が起きたとき
4. 持続的もしくは大量の性器出血
5. 妊娠中の強い腹痛や性器出血、強い頭痛や嘔吐などの症状が改善されないとき

上記のような気になる症状がある場合は、産婦人科へ電話で相談してください。
産婦人科オンラインでも受診の必要性についてご相談をお受けできます。

■状況によっては手術予定が延期になることがあります

産婦人科に関わる手術には多くのものがありますが、新型コロナウイルスが蔓延している間は、医療資源を確保し、感染から守るために、一部の手術が延期されることがあります。
これは、感染の拡大状況と、手術する疾患の状況やその時の健康状態を総合的に考慮して判断されますので、必ず主治医に確認するようにしてください。

ただし一般的に、
・異所性妊娠
・帝王切開
・悪性腫瘍(がん)
・その他、症状の悪化が懸念される状態
などは、延期せず予定通りもしくは緊急で手術が必要になると考えられます。

新型コロナウイルスの感染が落ち着くまでは、普段から治療していた、または定期検診を受けていた疾患について不安が大きくなることと思います。
その疾患の状態と、通院による感染リスクを天秤にかけて判断する必要がありますので、通院先への相談や、産婦人科オンラインを活用して今後の方針を考えてみてくださいね。

さらに詳しく聞いてみたい方は、アプリメニュー内「産婦人科・小児科相談」より、産婦人科オンラインの医師、助産師にご相談ください。

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産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後の不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。
(産婦人科医 重見大介)

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