出産の立会いをするご家族にとって、出産中にどんなサポートができるのかわからないということも多いようです。産婦さんが安心して出産に臨めるように、ご家族には大事な役割があります。
■立会い出産では陣痛中からのご家族のサポートが大切です
一般的に立会い出産とは、赤ちゃんが産まれる瞬間に立ち会うというイメージがあるかもしれませんが、陣痛中のご家族のサポートがとても大切です。陣痛時に腰をマッサージしたり、栄養補給のサポートをしたり、励ましながら陣痛を乗り越えることによって、出産の喜びを一緒に分かち合うことにつながります。
なお、無痛分娩の場合でも、同じようにサポートは大切です。また、立会いができる人数は施設によって異なります。
■立会いのご家族は産婦さんの精神面のサポートを
産婦さんは「無事に産まれるかな」「体力が持つかな」「早く赤ちゃんに会いたい」と期待と不安の気持ちでいっぱいです。そんな産婦さんに対して、
・一緒にお腹に手をあてて赤ちゃんの存在を感じる
・生まれてくる赤ちゃんの話をする
・一緒に呼吸法をする
・上手にできていることを言葉で伝える
などによって、前向きに出産に臨むことができるでしょう。
産婦さんが安心してリラックスできれば、無理な力がかからず、出産はスムーズに進みやすくなります。また、医師や助産師の説明を一緒に聞きながら、分娩の進行を共有することも大切です。
■産婦さんがいきむときには、頭側でいきみのサポートをしましょう
分娩台でいきみ始める時期には、産婦さんが力を入れやすいように、おへそを覗き込むように頭を支えてあげましょう。また、いきみを続けていると喉が乾きやすいので、水分補給の補助も大切です。さらに、分娩室は赤ちゃんに合わせて室温が高くなっていますので汗を拭いてあげるなど、家族の役割はたくさんあります。
医師や助産師からサポートの依頼があるかもしれません。産婦さんに、どんなサポートしてもらったら嬉しいか聞きながら立会いをするのも良いでしょう。一緒に出産を乗り越えた喜びを分かち合うことで、家族の絆はより深まっていきます。
立会い出産時のご家族のあたたかいサポートは、産婦さんの前向きで安心した出産に繋がり、立会い出産が素晴らしい経験となるでしょう。そして、満足な出産経験は、その後の子育てを前向きにスタートできることにもつながります。
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(産婦人科医/助産師 中 友里恵)
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