お子さんの言葉の発達に不安を感じていらっしゃる保護者の方は多いと思います。
でも言葉の成長は個人差が大きいもの。
理解と表出、社会性がバランス良く発達できていれば焦る必要はありません。
■健診で「様子を見ましょう」と言われても不安にならないでください
1歳半健診では、概ね三つの単語が言えるかを確認しています。
でもこれは言葉の能力のうち、「表出(言えるか)」をみる項目に過ぎません。
耳の聞こえや言葉の理解、社会性、運動面も含めてバランスよく発達できているかをチェックしています。
話せる言葉が二つでも、お家で親御さんの言っていることを理解できていて、言葉以外のコミュニケーション(指差しやモノマネ、視線がよく合うか、など)に問題がなければ、過度に心配されることはありません。
表出だけが少し遅い場合には、3歳頃までに追いついてくることが多いからです。
だから「しばらく様子を見ましょう」と言われることが多いのですね。
■2歳で二語文が出ていなくても、あわてないでください
2歳児にはたくさんおしゃべりをする子も、単語しか出ない子もいて、個人差が大きい年齢です。
頑張っておしゃべりしようとする姿がかわいい頃ですが、他のお子さんと比べてしまい、不安を感じる保護者の方が多い時期でもあります。
でもバランス良く成長ができていれば焦る必要はありません。
二語文は2歳半頃になって出てくるお子さんもいます。
■聞こえと理解、社会性をチェックしてみましょう
まずは後ろからささやき声で呼びかけてみて、小さな声が聞こえているかを確認しましょう。
最近では産まれてすぐに聴力検査をされていることがほとんどですが、それでも難聴が後から見つかることがあります。
また、2歳を過ぎても簡単な指示(〇〇ちょうだい、など)が伝わらない場合には、理解の遅れがあるかもしれません。
一人遊びばかりで家族とも目が合わなかったり、何か一つの物にばかり興味を示したりする場合には、社会性に関わる発達の特性が言葉の遅れに関係しているのかもしれません。
こういった時には、まずはお近くの小児科医か地域の保健センターに相談してみてください。
また念のため、言葉の表出の遅れだけであっても2~3ヶ月ごとにかかりつけの医師に経過を一緒に見てもらうことをお勧めします。
保護者の方が不安を溜め込まないことがお子さんの成長にも大切なことです。気になることがあれば、些細なことでも相談してくださいね。
小児科オンラインはこれからも、お子さんの発達について情報を発信していきます。
(小児科医 山田真平)
1. 国立成育医療研究センター, 改訂版乳幼児健康診査, 2021
2. 日本小児神経学会, 小児神経Q&A
3. 洲鎌盛一, 乳幼児の発達障害診療マニュアル, 医学書院, 2013
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