お子さんのテレビゲームやスマートフォンの使い方は、病院で相談することではないと思っていませんか?
お子さんの健康・成長発達に関することは全て、小児科医の担当です。
携帯電話を使ってSNSを見たり、YouTubeを見たり、テレビで番組を見たり、ゲームをしたりと、スクリーンは今や私たちの生活には欠かせません。
親御さんがスクリーンを使う姿を見て、お子さんも同じように使いたいと思っていることでしょう。
小児科医の立場から、2歳以降のお子さんがスクリーンを使う上で守っていただきたい注意点をまとめました。
■過剰なスクリーンタイム・誤ったスクリーンの使い方はお子さんにとって悪影響です
(1)睡眠時間の減少
お子さんには、年齢にもよりますが、8-12時間の睡眠が必要です。スクリーンへの過剰な暴露はお子さんの睡眠時間を減らすだけでなく、睡眠の質も落としてしまいます。睡眠時間が少ないことは、成長発達にとってよくないだけでなく、学校での成績にも影響します。
(2)肥満との関連
テレビを1日に1.5時間以上見る4歳から9歳までのお子さんは、肥満になりやすいという過去の研究があります。また、10代のお子さんでは1日0-2時間テレビを見るお子さんよりも、5時間以上見るお子さんの方が、5倍の確率で肥満になりやすいと言われています。
(3)発達の遅れ
スクリーンタイムの長いお子さんでは、集中力や言語、思考能力、社会能力に遅れが見られるとの研究結果があります。
(4)インターネット使用による悪影響
セクスティング(Sexting)という言葉をご存知でしょうか。「セックス(Sex)」と「テキスト(Text)」が合わさってできた言葉です。お子さんが自分自身の性的な画像を送ったり、あるいは性的な言葉のやりとりをSNS上でしてしまったりすることです。10代のお子さんの12%程度がしているという研究結果があります。また、ネット上でのいじめの被害にあるリスクもあります。
■家族全員でスクリーンの使い方を工夫し、スクリーンタイムの減少に取り組みましょう
スクリーン自体は決して悪いものではなく、子どもたちがスクリーンから学ぶことは多いです。しかし、正しく付き合わなければ、お子さんへの悪影響があります。
ご家庭では以下の点に注意してください。
(1)家族で一緒にスクリーンを見る
家族で一緒にテレビ・インターネットを見る習慣を作ることで、使用時間をコントロールしやすくなります。
(2)就寝1時間前からスクリーンは見ない
就寝直前のスクリーン使用は睡眠時間・質を下げ、日中の眠気が強くなり、学業に専念できなくなります。
(3)寝室にはいかなるスクリーンも置かない
寝室でのテレビや携帯電話をいじることは、睡眠時間を少なくします。寝室にテレビを置かないだけでなく、子どもたちに携帯を持ち込ませないようにしましょう。
(4)親が良いお手本を見せる
親が食事中に携帯をいじったり、テレビを見ながら作業をしたりしないようにしましょう。大人が良いお手本を見せなければ、子どもたちはルールを守ってくれません。
是非今日からスクリーンの使い方を改善してみてください。改善しようと日々努力していても、上手くいかないこともありますよね。そんな時にはどうぞ小児科医に相談してみてください。ご家庭の事情に応じて、より良い方法をご提案できると思います。
小児科オンラインはこれからも子育て、お子さんの発達に関わる問題を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 高城大治)
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