小児科オンラインジャーナル

2020.08.28

いつまで必要?哺乳瓶の消毒 ~正しい消毒のやり方~

哺乳瓶は赤ちゃんの口に直接触れ、中身のミルクや搾乳は体に吸収されていきます。保護者の方にとって、哺乳瓶を消毒していれば安心のようですが、逆に『消毒はいつまで必要ですか?』と健診で聞かれることもしばしば。果たして何が正解でしょうか?

■消毒不要の目安は赤ちゃんが自分の手や指を舐めるようになってきたら

「生後何ヶ月まで消毒してください」といった明確な基準があると安心される方も多いのですが、赤ちゃんにはとても個人差があります。出生の状況も、成熟の具合も、発達の進み具合も様々ですからね。

消毒を終了する目安は、自分の手や指を赤ちゃんが好んで舐める、チュッチュするようになったらと思ってください(偶然チュッチュしたのではなく、普段からするようになったらです)。この時期には、手についた常在菌を口に入れ、免疫力を高め始めています。

ただし、これは日本のように上下水道が整備されているところで哺乳瓶を扱う場合の目安です。上下水道の整備が不十分な国・地域ではこの限りではありません。

■生まれてしばらくは赤ちゃんに代わり細菌を殺すために哺乳瓶を消毒しましょう

生まれて間もない赤ちゃんは、細菌(いわゆる”ばい菌”の一つ)に立ち向かう免疫力が未熟です。さらに、赤ちゃんの胃液はまだ酸が薄く、細菌を殺す力も未熟です。一方で、ミルクや母乳は栄養たっぷりなので、この栄養分を餌に細菌が繁殖し始めます。また、ミルクの温度は細菌にとって適温で増殖しやすいため、哺乳瓶の消毒が必要になります。

なお、粉ミルクの中にはサカザキ菌という、どこにでもいる菌が含まれている可能性があります。このサカザキ菌は熱に弱いので、70℃以上のお湯でミルクを作ることで殺菌できます。わざわざお湯で作ってから冷ますのはこのためです。

■哺乳瓶の消毒は一番やりやすい方法で大丈夫です

哺乳瓶の煮沸消毒、薬液消毒、電子レンジ消毒、どれも効果に違いはありません。保護者の方が一番やりやすい方法を選んでくださいね。ちなみに、薬液につけた後はすすがなくても大丈夫。残った薬液がミルクや母乳中のタンパク質と反応して体に無害な成分に変わります。

役立ち情報はありましたでしょうか?

哺乳瓶消毒の手間から解放されて、育児のタスクを一つでも減らしたら、もっと育児が楽になりますよ。一緒に育児頑張りましょう。

さらに詳しく聞いてみたい方は、アプリメニュー内「産婦人科・小児科相談」より、小児科オンラインの医師にご相談ください。

※電話やLINEのメッセージチャット・音声通話・動画通話で小児科医に相談できるサービスです。
※アプリ会員の方は【無料】で小児科オンラインをご利用いただけます。

小児科オンラインはこれからもお子さんの栄養に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 後藤くみこ)



★小児科オンラインのご利用方法について★

<アプリから、webサイトを開く>
①アプリ画面下のメニューをタップする。
②メニュー内の「産婦人科・小児科相談」をタップする。
③「小児科オンラインへ」を選択。
④注意事項を読み、「注意事項に同意する」にチェックする。
⑤「小児科オンラインを見る」をタップする。
⑥確認メッセージの「移動する」をタップする。
⑦webサイト「小児科オンライン for キッズリパブリック」が表示される。

<予約>
①サイト内の「さっそく相談する(無料)」をクリックする。
②希望の予約日時を選んで「予約する」をクリックする。
※初めて予約の場合、会員登録が必要です。
③予約情報を入力する。
④ユーザ情報を入力する。
※この画面で「ひみつの合言葉」の入力が必要です。
⑤予約内容の確認をする。
⑥予約完了後、予約確認メールが届く。

<当日の相談>
①スマートフォンに、10分前メールが届く。
②予約時間になったら、LINEや電話で小児科医に相談する。

便利でお得なキッズリパブリックアプリのダウンロードはこちら。

小児科オンラインジャーナル一覧へ戻る