小児科オンラインジャーナル

2020.08.14

子どもにどう接したらいい?新型コロナウイルス流行との付き合いかた

新型コロナウイルスの影響で、普段の生活の変化を余儀なくされているお子さんやご家族も多いのではないでしょうか。ご家族も負荷を抱える中で、お子さんにどう接したらいいかという相談をよく受けるようになりました。大丈夫、一人ではありません。ぜひ一緒に考えてみましょう。今回は3つのポイントをお伝えします。

■子どもへの説明は前後のケアが大切

その子の発達に合わせた言葉と長さで説明をしてみましょう。絵やカレンダーなど目に見えるものを使ってあげるとよいかもしれません。

ポイントは、説明の前後のケアです。説明する前に、「コロナについてどう思ってる?」「学校に行けないこと、どんな気持ち?」と子どもの気持ちや考えを聞いて、受けとめてから話し始めます。説明の後には、「どう思った?」「よくわからないことはあった?」と質問をしても大丈夫なことを伝えましょう。「心配なことや困ったことは、いつでも話してね」と締めくくると、お子さんはとても安心します。

■3つの”い”:「いるよ」「いつものこと」「いきぬき」

・子どもに「ちゃんとついているよ」と伝えます。一緒に実際にいる時間が短くても、「一人じゃないよ」「大丈夫だよ」とあえて言葉にしてスキンシップをとると、大人も子どもも安定します。

・日々状況が変わり、生活リズムが保ちにくくなっているかもしれません。こんなときこそ、朝のハイタッチ、昼のペットのえさやり、寝る前の本読みなど、「毎日変わらずすること」をあえて作り、それを大切にしましょう。

・子どもがイライラしたり、不安定に見えたりすることもあるでしょう。「楽しみだったのに、残念だよね」などと気持ちを言葉にする手伝いをしながら、大きく深呼吸を3回。落ち着いているときに練習して、大人も一緒にやってみましょう。

■自分をいたわる

子どもだけではなく、ご家族もまた、日々大きなストレスを感じていらっしゃると思います。この状況で不安やいらだちを覚えることは、むしろ自分を守るための自然な反応です。好きな食べ物、テレビ電話、いい匂いの入浴剤、ストレッチなど、「自分のためだけ」の時間を短くても作り、手を抜けるところは思い切り抜いて、自分を甘やかしましょう。お子さんに対して声や手をあげそうになることもあるかもしれません。そんなときはトイレなどで10秒数えてから戻ってきましょう。そして何より、一人で悩まないで。小児科オンラインも、いつでも相談を待っています。

小児科オンラインはこれからもご家族の不安に寄り添えるように情報を発信していきます。
(小児科医 山口有紗)

参考
IACAPAP: 8つのヒントREMEMBER
WHO: Healthy Parenting
ChildTrends: Resources for Supporting Children's Emotional Well-being during the COVID-19 Pandemic



便利でお得なキッズリパブリックアプリのダウンロードはこちら。

小児科オンラインジャーナル一覧へ戻る