小児科オンラインジャーナル

2020.05.01

子どものじんましん、最多は意外な原因

特に思い当たるきっかけもなく急にお子さんにじんましんが出て、「あれ?何かアレルギーのある食べ物を食べたかな?」と心配されたことはありませんか?実はお子さんのじんましんで最も多いとされている原因は意外なものなのです。

■最も多い原因はウイルスや細菌の感染

じんましんの原因として食べ物や薬を連想することが多いと思います。しかし、実は子どもたちのじんましんの最も多い原因は、ウイルスや細菌の感染であるとされています。その詳しい仕組みはまだわかっていませんが、じんましんが出現したお子さんを調べたところ、ウイルスや細菌の感染が一緒に確認されたお子さんが最も多かったと報告されています。数日前~じんましんが出た時点の間に鼻水や咳など風邪の症状がありませんでしたか?もしあった場合、風邪を引き起こすウイルスの感染が原因として疑われます。ただ、ウイルスや細菌の感染が原因であってもこうした明らかな症状がない場合もあります。

■原因特定のヒントはじんましんの出たタイミング

食事や薬に対するアレルギー反応としてのじんましんは、摂取後数分から1-2時間以内に出現することがほとんどです。そして、同じ食品や薬を摂取したときにまた同様に出現するという再現性があります。これらに当てはまらないような場合、例えば「朝起きたらじんましんがあった」「食事の前からじんましんがあった」といった場合は、食事や薬の摂取を原因としてあまり疑わなくてよいでしょう。そして、じんましんをくり返してしまうようであれば、そのタイミングを記録しておいて、医師に伝えるようにしましょう。何よりも重要な原因を特定するヒントになります。

■原因に関わらずじんましんへの対応は同じ

感染に関しては治療可能なものであればその治療をしますが、多くの風邪の原因となるウイルスには特効薬はありません。そのため、たとえ感染によるじんましんを疑ったからといって特別な薬があるわけではありません。かゆみが強い場合などはアレルギー反応を抑える薬で対応します。

特別な心当たりがない中でお子さんにじんましんが出現したとき、不安になることもあると思います。実は子どもにとってありふれたウイルスや細菌の感染が原因になりうることを知ることで、少しでも安心につながればと思います。

小児科オンラインはこれからもお子さんの皮膚、アレルギーに関する疑問を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 橋本直也)



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