小児科オンラインジャーナル

2020.04.24

こどもと紫外線(2)日焼け止めの種類と正しい塗り方

お子さんの日焼け止め、みなさんはどんな種類のものをどのように塗っていますか?日焼け止めの種類と正しい塗り方についてご説明します。

■日焼け止めの強さは、目的に合わせて選びましょう

日焼け止めには、SPFやPAなどの「強さ」の表示が書かれています。SPFはUV-Bを防ぐ指標、PAはUV-Aを防ぐ指標で、それぞれ日焼け止めを塗らなかった場合に比べてどれぐらい紫外線の影響を防ぐことができるかを表しています(UV-AとUV-Bは、太陽の光のうち地表に到達する2種類の紫外線のことです)。SPFは15、20、30などの数字で表され、PAは+記号を用いた+、++、+++、++++の4段階に分けられています。

使用する際には、目的によって強さの異なる日焼け止めを使い分けるのが良いでしょう。強い日焼け止めはその分肌への刺激も増える可能性があります。例えば、散歩や買い物など、日常生活の中で浴びる紫外線は、SPF15~20、 PA++程度でよく、屋外でのスポーツやレジャーなどの時にはSPF30、PA+++、炎天下でのレジャーやマリンスポーツなどではSPF50、PA++++などです。また、プールや海など水辺で使う場合は、水をはじくウォータープルーフタイプを選ぶことも重要です。

■日焼け止めは十分量をムラなく塗り、2-3時間おきには塗り直しましょう

日焼け止めは、戸外に出る前に塗りましょう。十分な量をムラなく塗り広げなければ、紫外線の防止効果は期待できません。大人の場合、顔ではクリーム状の日焼け止めではパール粒1粒程度、液状の日焼け止めでは1円玉1枚分くらいの量を出し、両頬、おでこ、鼻の頭、顎などに分けておいてから伸ばしていきます。さらに同量を出して重ね塗りすることで塗りムラを防ぐことができます。特に太陽光にさらされやすい鼻の頭や肩、背中の上部などはしっかりと塗りましょう。

また、日焼け止めは時間が経つと汗で流れたり、手や衣類でふいたりすることで落ちてしまいます。SPFやPAの数値が高いものであっても、皮膚から落ちてしまっては効果を発揮することはできません。こまめに塗り直すか、戸外での活動が続く場合は少なくとも2-3時間おきには塗り直しをするようにしましょう。

■日焼け止めの2つの種類:散乱剤と吸収剤

日焼け止めには,大きく分けて紫外線吸収剤と紫外線散乱剤という2つの種類があります。

紫外線吸収剤は「光が当たるとその光を吸収して化学反応を起こす性質」を利用しています。皮膚の表面で化学反応が起きた後、紫外線は熱などの害のないエネルギーに変わります。紫外線吸収剤は透明なので塗った時に白っぽくなりづらく、製品としての塗りごごちもよく使いやすい特徴がある一方、化学反応によって変化した物質が肌を刺激してしまうことがあるため、敏感な肌の場合はかぶれたりすることがあります。よく用いられる紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸(PABA)誘導体、ベンゾフェノン誘導体、メトキシケイヒ酸誘導体、サリチル酸誘導体などがあります。

紫外線散乱剤は皮膚表面にとどまり紫外線を反射し、皮膚内に紫外線を侵入させないようにする働きがあります。紫外線散乱剤は紫外線によっても構造が変化しないため肌への刺激は少ないとされていますが、紫外線吸収剤に比べて肌に塗った時に白っぽく見える特徴があります。紫外線散乱剤としては、酸化チタン微粒子、二酸化亜鉛微粒子などがあります。

市販の日焼け止めには紫外線吸収剤と散乱剤の両方が含まれていることも多くあります。子供用や敏感肌様の日焼け止めなどで「紫外線吸収剤無配合」「ノンケミカル」となどの表示がされているものは紫外線散乱剤を中心として作られていることが多いです。

また、最近では紫外線散乱剤のうち、ナノ粒子(粒子の直径が100nm程度以下)と呼ばれる酸化チタンや酸化亜鉛が化粧品や日焼け止めに配合され、塗った時に白っぽくなりにくく使いやすい製品として売られています。ただし、ナノ粒子による人体への影響については引き続き調査・研究が必要と考える研究機関もあります。

紫外線予防に重要な日焼け止めですが、特に小さなお子さんはじっとしておらず、しっかり日焼け止めを塗らせてくれないことも多いかもしれません。日焼け止めを塗ることで強い太陽の光から肌を守るんだよ、とお話しし、正しく使って効果的に紫外線を防ぎましょう。

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(小児科医 橋本真理子)



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