子育て中のお父さん・お母さんなら一度はお子さんの熱や解熱後の皮膚のぶつぶつを経験されたことがあると思います。また小児科で「突発性発疹」と診断されたこともあるかもしれません。今回は突発性発疹に関して知っておいてほしいことをお伝えします。
■突発性発疹はとてもありふれた感染症です
突発性発疹はウイルスが原因の感染症です。2歳くらいまでのお子さんが感染することが多く、お母さんからの免疫が弱くなる生後4~12か月に特に多いと言われています。初めての発熱がこの突発性発疹であるお子さんも多いでしょう。とてもありふれた感染症で幼稚園に入る頃までには、ほとんどのお子さんが感染します。
突発性発疹の症状は主に熱と発疹があります。熱は38~40度の高熱が3~5日続きます。高熱の割に機嫌が良いお子さんが多いです。この病気の最大の特徴は熱が下がった時に発疹が出現することがあることです。発疹は2mm~1cm程度の赤いぶつぶつや斑点で、腹、胸、背中、首周り、手足に出てきます。これらは数時間から数日で自然に消えていきます。ただし、中には発疹が出現せず発熱だけのお子さんもいます。
■突発性発疹はまれに熱性けいれんを合併します
突発性発疹は、もともと元気なお子さんであれば特別な治療をすることなく、自然に軽快していきます。まずは安静にすることをこころがけ、しっかりと水分補給をしましょう。突発性発疹では熱が出始めた時には診断がつかないため、全身状態をみて受診を検討してください。
まれなことですが、突発性発疹で急激に体温が上がることで、熱性けいれんを合併することがあります。その場合は慌てずにお子さんを横に寝かせ気道を確保したのちに、救急車を呼んでください。
■予防が大事です
突発性発疹に対しての予防接種はありません。突発性発疹はウイルスの感染によって生じるものなので、しっかりとした手洗いが有効な予防方法です。
なお、突発性発疹の原因となるウイルスは飛沫感染(咳やくしゃみで飛び散ったしぶきを吸い込んだり口にすることで感染します)なので、発熱で突発性発疹が疑われた際は保育園や幼稚園はお休みしてください。発疹が出ていても解熱して24時間がたっていれば登園は可能です
突発性発疹の発疹は典型例であれば診断はそれほど難しくありません。就学前のお子さんの発熱の原因はウイルス感染が圧倒的に多いですが、突発性発疹と診断名がつくことでお母さんも少しは安心できるのではないでしょうか。
小児科オンラインはこれからもお子さんの皮膚・発疹、感染症に関する情報を発信していきます。
(小児科医 田中俊之)
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