小児科オンラインジャーナル

2019.11.22

正しく理解!食物アレルギーの検査

食物アレルギーの診断には、様々な検査が行われます。血液検査がよく知られている検査ですが、同時によく誤解されている検査でもあります。

今回は代表的な検査をご紹介するとともに、正しい解釈の仕方についてお伝えします。

■1. 血液検査はあくまでも参考に

血液検査では主に食べ物の特異的IgEの値を調べます。この値が上がっていることは、「その食べ物に敏感になっていること(医学的には感作していると言います)」を意味します。ここで最も注意しなければならない点は、「感作≠食物アレルギー」ということです。

値が少し上がっているだけで「食物アレルギーなのでこの食べ物を除去しましょう」となっている場合がよくあるようですが、値が上がっていても実際にその食べ物を食べて何の症状も出ないのであれば、除去をする必要は全くありません。値が高くとも問題なく食べられるお子さんはたくさんいます。

■2. 「念のため」の血液検査はむしろお子さんに悪影響です

「症状はないけど念のため調べたい」というのは食べ物の過剰な除去につながります。ひいてはお子さんの食生活と栄養に悪影響を及ぼすため、おすすめできません。あくまでも実際に食べて症状があった上で検査すべきです。

また、特異的IgGという特異的IgEとは別の項目が一部では調べられているようですが、こちらは食物アレルギーでなくても値が上がります。そのため診断の参考にはなりませんし、アレルギー学会でも推奨していませんのでご注意ください。

■3. 皮膚検査もあくまで参考に

皮膚検査は、いくつか種類がありますが、主に「プリックテスト」が行われます。これは、アレルギーが疑われる食べ物の成分を専用の針につけて少し皮膚に押しつける、という検査です。押しつけた部分が赤くなり蚊に刺されたように膨らむかどうかを確認します。これもあくまで参考に行う検査で、少し反応したからといってその食べ物を食べられないわけではありません。

■4. 正しく診断できるのは食物負荷試験だけです

食物アレルギーかどうかを診断する唯一の方法は食物負荷試験であると言っていいと思います。これまでにお伝えした血液検査、皮膚検査はあくまで「参考」で、確定するのは食物負荷試験で陽性であった場合のみです。主治医がお子さんの状況をふまえて、疑いのある食べ物を適切な量だけ実際に食べてもらいます。それで症状が出ると、陽性と判断され、はじめて食物アレルギーの診断になります。そして診断後に適切な食べ物の除去の指導が行われます。

食物アレルギーは実際に食べて症状が出てはじめて診断されます。検査は、正しく行い、判断されなければ、不必要な食べ物の除去へとつながり、お子さんの食生活を著しく制限してしまうことになりますので注意しましょう。

さらに詳しく聞いてみたい方は、アプリメニュー内「産婦人科・小児科相談」より、小児科オンラインの医師にご相談ください。
※電話やLINEのメッセージチャット・音声通話・動画通話で小児科医に相談できるサービスです。
※アプリ会員の方は【無料】で小児科オンラインをご利用いただけます。

小児科オンラインはこれからもお子さんのアレルギーに関わる疑問を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 千葉剛史)



★小児科オンラインのご利用方法について★

<アプリから、webサイトを開く>
①アプリ画面下のメニューをタップする。
②メニュー内の「産婦人科・小児科相談」をタップする。
③「小児科オンラインへ」を選択。
④注意事項を読み、「注意事項に同意する」にチェックする。
⑤「小児科オンラインを見る」をタップする。
⑥確認メッセージの「移動する」をタップする。
⑦webサイト「小児科オンライン for キッズリパブリック」が表示される。

<予約>
①サイト内の「さっそく相談する(無料)」をクリックする。
②希望の予約日時を選んで「予約する」をクリックする。
※初めて予約の場合、会員登録が必要です。
③予約情報を入力する。
④ユーザ情報を入力する。
※この画面で「ひみつの合言葉」の入力が必要です。
⑤予約内容の確認をする。
⑥予約完了後、予約確認メールが届く。

<当日の相談>
①スマートフォンに、10分前メールが届く。
②予約時間になったら、LINEや電話で小児科医に相談する。

便利でお得なキッズリパブリックアプリのダウンロードはこちら。

小児科オンラインジャーナル一覧へ戻る