小児科オンラインジャーナル

2019.10.11

インフルエンザの予防接種はいつから大丈夫?

インフルエンザ予防接種の時期になると、0歳児のお子さんを育てるお母さんから、予防接種のタイミングに関して質問されることがあります。特に初めてのお子さんだと気になりますよね。今回はインフルエンザ予防接種の時期に関してお伝えしたいと思います。

■インフルエンザ予防接種は生後6ヶ月から

日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュールでは、

「インフルエンザワクチンは生後6ヶ月から接種可能、12歳までは1シーズンに2回の接種(13歳以降は1シーズンで1回)、1回目と2回目は4週間(2~4週間)あけるように」

と記載されています。

典型例として、生後6ヶ月を過ぎていれば、10月頃に1回目のインフルエンザ予防接種を実施し、4週間後の11月に2回目を実施すると、流行期にインフルエンザの発症を予防できるとされています。

■1歳まで待つ必要はない?

「1歳までは抗体がつきにくいから、それまで待った方がよいですか?」と聞かれることがあります。確かに1歳児未満ではインフルエンザ予防接種の十分な有効性を示す報告は少なめです。しかし、インフルエンザウイルスに対して脆弱である乳幼児にとって発症・重症化を少しでも減らしうるメリットと、接種して起こりうるリスクを天秤にかけると、接種を遅らせる必要はないと考えます。保育園などの集団生活で感染の機会の多いお子さんであれば、特に早めに接種をしていただきたいです。

■世界の標準は生後6ヶ月から

インフルエンザ予防接種は有効率はとても高いとは言えませんが、それでも根拠のある最も有効な予防法です。また発症予防だけでなく、重症化を防げることも、世界で早めの接種が推奨されている理由です。

上記より、アメリカだけでなくWHO(世界保健機関)も6か月からの予防接種を推奨しています。

小児科オンラインはこれからもお子さんの感染症・予防接種に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 田中俊之)



便利でお得なキッズリパブリックアプリのダウンロードはこちら。

小児科オンラインジャーナル一覧へ戻る