小児科オンラインジャーナル

2019.09.13

チャイルドシートは子どもの命を守ります

家族で自動車に乗っておでかけの機会もあるかと思います。今回は、そんな子ども連れでの自動車移動に欠かせない、チャイルドシート使用に関する小児科医からのお願いです。

■チャイルドシートには確かな効果があります

警察庁の調査によると、6歳未満の子どもの自動車同乗中の交通事故で、チャイルドシートを使用していなかった場合、適切に使用していた場合に比べ、死に至る割合が4.2倍でした(警察庁、令和元年~令和5年合計)。適切にチャイルドシートを使用することは、お子さんの命を守ることに直結します。

■チャイルドシートの着用は法律で定められています

道路交通法第71条の3第3項において「運転者は、6歳未満の子どもを乗せる場合、チャイルドシートを使用しなければいけない」と定められています。

また、6歳以上でも、体重が36kgに達するまでは年齢に適したジュニアシートなどを活用することが勧められています(小児科学会, 2008年)。

■どんな状況でもチャイルドシートに座らせてください

運転中、いつ急ブレーキになるか、いつ後方から追突されるか、予想できません。どんなに短い時間の運転でも油断せず、子どもはチャイルドシートに座らせてください。チャイルドシートを嫌がる子も多いと思いますが、ほとんどの場合はしばらくすると慣れます。嫌がったからといって降ろしたまま運転してはいけません。どうしても落ち着かないときは、運転自体を止めて、落ち着くのを待ちましょう。

■正しい使用方法を守りましょう

チャイルドシート使用のポイントをご紹介します。

(1)1歳を過ぎ、体重も10kgを超えるまでは後ろ向きチャイルドシート
衝突時の頸椎損傷(けいついそんしょう、首にある神経がダメージを受けること)を減らすために推奨されています。

(2)後部座席に装着
助手席に取り付けてしまうと、事故によって作動したエアバックの衝撃で子どもが怪我をする可能性があり大変危険です。

(3)しっかりと固定
取り付けられたチャイルドシートをゆすってみても大きく動かないよう(約3cm以下が目安)しっかり固定しましょう。

(4)ベルトを着用
チャイルドシートに座らせるだけでは不十分です。必ずハーネスやベルト着用をお願いします。

(5)使用時のやけどに注意
炎天下ではチャイルドシートの金具部分が熱くなり、やけどする可能性があります。金具部分が子どもの皮膚に触れていないか、必ず確認した上で使用しましょう。

チャイルドシートの使用は子どもの命を守ることに直結します。大人の油断や不注意で子どもの命が奪われることのないよう、適切な使用をお願いします

小児科オンラインはこれからもお子さんの事故予防に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 橋本直也)



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