小児科オンラインジャーナル

2019.06.04

ここが知りたい液体ミルク!災害時におすすめな理由と注意点

2019年3月にとうとう日本初の乳児用液体ミルク(以下液体ミルク)が発売されました。液体ミルクの成分は既存の粉ミルクの成分と同様なので、「調乳の必要がない粉ミルク」と言えます。災害時の備蓄用としても活用が期待されていますが、今回はその理由と注意点をお伝えします。母乳、粉ミルク、液体ミルクそれぞれの利点を理解して、上手に使い分けたいですね。

■メリット(1)常温で飲める

液体ミルクは、液体ミルク容器から清潔な哺乳瓶に移して、そのまま赤ちゃんにあげることができます。

一方、粉ミルクを調乳するときは、粉ミルクを必ず70度以上のお湯で溶かしてから白湯を加える等して適温にする、という作業が必要です。粉ミルク中や調乳時にミルクに混入する可能性のあるSakazaki菌等が70度以上の高温でないと死滅しないからです。これと比較して、液体ミルクの場合は製造時に無菌化されたミルクが缶や紙パックに充填されるので、開封後常温のまま飲ませることができます。常温保存できる紙パック飲料や缶詰食品と同様ですね。

■メリット(2)長期保存できて、災害時の備蓄用にも便利

粉ミルクは開封後1か月以内に使い切るよう推奨されていますが、液体ミルクは長期保存が可能です。2019年3月時点で発売されている国内の液体ミルクでは、紙パックタイプ(グリコ アイクレオ)は6か月間、缶タイプ(明治 らくらくミルク)は1年間保存できます。災害時にライフラインが断絶され清潔な水が手に入らなくても、赤ちゃんの命を守ることができることから、災害備蓄用に活用が期待されています。ふだんから粉ミルクをあげている人はもちろん、母乳派のお母さんも災害時に十分な量の母乳分泌を維持できるかはわかりません。いざというときのために、液体ミルクを備蓄しておくと安心ですね。

■注意点:清潔な哺乳瓶が必要、使い残しは必ず捨てる、価格が高い

国内で発売される液体ミルクは清潔な哺乳瓶にうつす必要があります。しかし、災害時に哺乳瓶を消毒することは困難です。その際は紙コップを使って授乳する方法が推奨されています。また、日本でも使い捨て哺乳瓶が販売されているので、それらを使用する方法もあります。お子さんに合った授乳方法を練習しておくと良いと思います。

そのほかの注意点として、口をつけていなくても一度開封した液体ミルクは必ず捨てる必要があることが挙げられます。ミルクは栄養が豊富なので菌が増殖しやすいのです。そして、価格が高いことも留意すべき点です。

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(小児科医 太田みのり)



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