小児科オンラインジャーナル

2019.01.29

子どもが虫歯にならないために知っておきたいこと(1)ー歯みがきはなぜ大事?

「虫歯」というのは、化学的にはリン酸カルシウムでできた歯が酸によって溶け出す(わかりやすくいうと、歯に穴があく)という現象です。大きく溶けてしまった歯は自分では元に戻せず、歯科で虫歯の治療が必要になります。今回は、虫歯ができるしくみと、歯みがきの重要性についてお話しします。

(本記事は2022年3月2日に一部表記を修正しました。)

■歯垢を取り除くことが肝心です

食べ物を食べると、口腔内の虫歯菌(主にミュータンス菌)が食べかすなどから糖分などをもらって増え、「歯垢(しこう、プラークとも言います)」となります。この歯垢はネバネバしているため、口をゆすぐだけでは取れず、歯ブラシなどで機械的にこすらないと取りのぞくことができません。歯垢の中では、増えた虫歯菌が更に食べかすなどの糖分を取り込んで、様々な「酸」を作り出します。その酸が歯を溶かして虫歯にしてしまうのです。

また、歯垢を残したままにすると、口腔内のカルシウムやリンと結びついて石灰化し、「歯石」となって歯の表面に固くこびりつき、歯みがきだけでは取れなくなってしまいます。

ここで重要なポイントは、「歯垢は食後数時間ほどで作られ、更に1-2日かけて歯石になる」ということです。毎食後に歯みがきをして歯垢や食べかすを取り除くことが基本ではありますが、万が一食後に歯みがきができないことがあったとしても、歯垢が硬い歯石となって歯にこびりついてしまう前に、つまり、最低でも1日1回は入念に歯みがきをするようにしましょう!

■「寝る前」の歯みがきは欠かさないで!

歯みがきに最も大事なタイミングは、「夜寝る前」です。先ほど、酸が歯を溶かして虫歯にしてしまう、とお伝えしましたが、実は唾液にこの酸を中和してくれる働きがあります。しかし、寝ている間は口の中の唾液分泌がほとんどなく、口の中は酸性になりやすい状態となっています。そのため、歯をみがかず口の中に食べかすが残ったまま寝てしまうと、唾液分泌の少ない就寝中は、特に虫歯ができやすくなってしまいます。お子さんが夜寝る前には歯みがきをする習慣を身につけ、口の中がきれいな状態でお布団にいれてあげるようにしましょう!

■定期的に歯科医院で歯科健診と歯のクリーニングをしてもらいましょう

乳歯(いわゆるこどもの歯)は、エナメル質や象牙質に厚みがなく、虫歯は早く進行します。また、こどもは痛みを伝えることがむずかしく、虫歯の発見も遅れがちです。たとえ乳歯であっても、虫歯になるとその下に眠っている永久歯も虫歯になりやすくなったり、あごの成長や歯並びなどにも様々な影響をもたらしたりします。

また、歯が生え揃ってからも添い乳をしながら寝てしまうと、唾液が広がりにくい上の前歯は特に虫歯になりやすいことがわかっています。

歯が生え始めたら、習慣として歯みがきを始めると同時に、定期的に歯科健診を受け、歯を硬くするためのフッ化物を塗布したり、歯にこびりついた歯石を取り除いたりするなど、虫歯予防のための適切な指導を受けることをおすすめします。

歯みがきは毎日の習慣です。でも小さなお子さんの歯みがきは簡単なことではありません。毎日続けるためには、その必要性をきちんと理解しておくことも大切です。

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(小児科医 橋本真理子)



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