小児科オンラインジャーナル

2018.12.04

インフルエンザの予防接種の有効率って低いの?ーよくある誤解ー

「インフルエンザのワクチンって、意味あるのですか?」という質問をご家族から受けることがあります。「年によって変動しますが、だいたいインフルエンザワクチンは有効率60%ぐらいで、効果がありますよ」とお答えすると、「ほらやっぱり、そんなに低いなら打ちたくないです」という感想を言われることがあります。

しかし、それは本当に低いのでしょうか?

そんなことはありません。

本記事ではインフルエンザワクチンの有効率に関してご紹介しようと思います。

【有効率の正しい解釈】

ワクチンの効き目を「有効率」と呼びます。今回は一例として、インフルエンザ発症に関してあるシーズンのインフルエンザワクチンの有効率が60%であった場合の考え方をお伝えします。

有効率60%とは、「100人にワクチンを打ったら60人は発症せず、40人は発症する」という意味ではありません。正しい解釈は、「ワクチンを打たずに発症した人のうち60%は、ワクチンを打っていれば発症しなかったであろう」です。

【もし20名の保育園だったら・・・】

例えば、20名のお子さんがいる保育園A園と保育園B園があったとします。A園では全員がインフルエンザワクチンを打ったとします。B園では誰も打たなかったとします。すると、同じ冬で比べたところ、A園では4名がインフルエンザになりました。B園では10名でした。この差である6名は、全員がワクチンを打ったA園の中で、「ワクチンを打ったおかげで発症しなかった人」です。有効率とは、この「ワクチンのおかげで発症しなかった6人」を「ワクチンを打たずに発症した10人」で割った数です。

園のクラスで10名のインフルエンザの子が出た状況と4名とでは大きな差ではないでしょうか。

【正しい解釈で正しい予防を】

インフルエンザワクチンには限界もあり、打った人全員を守れるわけではありません。ワクチンを打ったにもかかわらず今シーズン発症してしまった方もいらっしゃるかと思います。ただ、この冬にワクチンを打っておらず、インフルエンザを発症してしまった方のうち、60%の方は打っていれば防ぐことができたはずです。ぜひ、このイメージを持ちながら、毎年家族全員でしっかりインフルエンザワクチンを打つことをお奨めします。

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(小児科医 橋本直也)



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