【小さなお子さんは1年の半分ぐらい鼻水を出します】
子どもの鼻水の原因のほとんどはウイルス感染、つまり「風邪」です。就学前の子どもは平均して年に6~8回風邪をひきます。一回の風邪がよくなるのに10~14日間かかるので、小さなお子さんが一年の半分くらい鼻水を出している、というのは実はごく平均的な状態です。
【鼻水を止める薬はありません】
風邪による鼻水を止めることができる薬は、現段階では存在しません(アレルギー性鼻炎が原因の場合は異なります)。病院で出される薬は鼻水を「やわらかくする」「出しやすくする」効果のものがほとんどです。
薬を飲んだのに鼻水が治らない、という場合でも焦らないでください。薬以外にも、保護者の方がお子さんにしてあげられることがあります。
【お子さんの鼻水にはまず加湿を】
部屋の湿度が低いと鼻水が固まって出しにくくなるので、部屋は加湿しましょう。入浴すると湯気で鼻通りが良くなるので、入浴後に鼻水をとってあげると良いでしょう。
鼻を自分でかむことができないお子さんには、こよりのようなもので鼻をくすぐってくしゃみで出させるのも手です。
また、寝ている時はのどに鼻水がたまって咳で起きてしまうことがあります。これは、起きている時には自然と行なっている「飲み込む動作」が減るためです。このような場合は一度体を起こし、ミルクや水分をとって鼻水を飲み込ませてあげることが効果的です。
小児科オンラインはこれからもお子さんの鼻の病気に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 石井道人)
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