小児科オンラインジャーナル

2018.04.09

ほとんどの風邪に抗菌薬は効きません

「風邪を早く治したいので、抗生剤をいただけませんか?」「念のため抗生剤をいただけませんか?」そんなご要望を外来で伺うことがあります。お気持ちはわかります。お子さんが早く良くなることは小児科医含め誰もが望んでいることです。しかし、風邪に抗菌薬を使うことでそれが達成されるわけではありません。(抗生剤という呼び名のほうが耳慣れているかもしれませんが、正しくは、抗菌薬と呼びます。)

【1. 抗菌薬は細菌に有効。ほとんどの風邪の原因であるウイルスには効きません。】

"ばい菌"には大きくわけて2種類います。一つは「細菌」で、もう一つは「ウイルス」です。抗菌薬は、前者の細菌に対して有効なお薬ですが、ウイルスには効きません。

風邪の90%はなんらかのウイルスが原因ですので、抗菌薬はほとんどの風邪に無効なのです。

ちなみに、ウイルス以外が原因の風邪には、溶連菌、マイコプラズマなどが分類されます。

【2. 風邪を治すのは子どもの体の免疫。休ませてあげることが最適な対応です。】

ほとんどの風邪の原因がウイルスであれば、いくら抗菌薬を飲んでも、そもそも意味がないということになります。ウイルスに効果のあるお薬を抗ウイルス薬といいますが、風邪のウイルスを倒してくれる抗ウイルス薬は残念ながら存在しません。

どのように風邪が治っていくかというと、お子さんの体の免疫がウイルスと闘って、ウイルスを倒してくれているのです。

「抗菌薬が欲しい」とおっしゃる保護者の方が本当にほしいのは、抗菌薬ではなく、「お子さんの風邪にきちんと対応してあげられている」という安心感なのだと思います。「風邪にきちんと対応する」ためには、結局のところ、ゆっくり休ませてあげることが一番です。

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(小児科医 橋本直也)



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