小児科オンラインジャーナル

2018.04.05

赤ちゃんの尿路感染症ってなに?!

赤ちゃんが熱を出したら尿路感染症が心配って言われたけど、尿路って何?尿路感染症って何が起きているの?今回はあまり聞き慣れないかもしれない「尿路感染症」についてご紹介します。

【1. 尿路とは腎臓から尿道までの尿の通り道です】

私たちは小さい赤ちゃんから大人までみんな毎日尿がでますよね。尿がどうやって、何のためにできているか知っていますか?
私たちの尿は腎臓という臓器で作られています。腎臓はそらまめのような形の臓器で、腰のあたりに左右2個あります。

私たちは毎日飲んだり食べたり、体の細胞や筋肉が作って壊れてを繰り返すことで、体の中に余分な水分や老廃物がたまります。血液中の余分な水分や老廃物をろ過して、いらないものを尿として外に捨てるのが腎臓の主な働きです。 腎臓からろ過されてできた尿は尿管という細い管を通って、おなかの下のほうにある膀胱という袋にたまります。ある程度尿がたまると膀胱が収縮し、尿道をとおって尿は体の外にでます。

尿路とはこの腎臓から尿管、膀胱、尿道までの尿の通り道のことです。

【2. 尿路感染症とは尿路のどこかで菌が増殖して炎症が起きた状態です】

私たちの尿の出口の周りには、正常でも腸や皮膚に常に住んでいる菌がたくさんいます。一方で腎臓から作られ膀胱にたまっている尿はきれいで菌はいません。普通は尿が腎臓から膀胱、尿道まで一方通行にしか流れないため、菌は洗い流されて膀胱や腎臓にたどりつくことはありません。しかし、たまたま菌が膀胱や腎臓まであがってしまい、そこで繁殖してしまうと、炎症が起こります。

膀胱で菌が繁殖してしまっているのを膀胱炎、さらに腎臓の近くまで菌があがって繁殖しまったのを腎盂腎炎(じんうじんえん)といいます。膀胱炎と腎盂腎炎をあわせて尿路感染症といいます。
膀胱炎では熱はなく、尿をするときの違和感や、尿の回数が増えるなどの症状がみられます。膀胱炎は成人女性に多いので、ご存知の方がいらっしゃるかもしれませんね。 菌がもっと体の奥まで入り込んで腎盂腎炎(じんうじんえん)にまで至ると高熱がでて、腰の痛みがでることがあります。

しかし、小さなお子さんの場合は熱以外の症状があまりないことがほとんどです。熱だけでなんとなく不機嫌だったり、ミルクの飲みが悪くなったりと、症状がはっきりしません。
このため、小児科では原因のよくわからない熱がみられたときには尿検査をして、腎盂腎炎ではないか確認しています。

【3. 尿路感染症になってしまったら多くは入院で抗生剤の点滴をします】

尿路感染症は細菌やウイルス、カビなどさまざまな病原体が原因となりますが、ほとんどが細菌でそれも大腸菌がもっとも多いとされています。

膀胱炎だけであれば水分摂取を多くするだけでも菌が洗い流されて治ることが多いですが、抗生剤を飲んで治療を行うこともあります。
腎盂腎炎(じんうじんえん)にまでなってしまったときには入院で抗生剤の点滴による治療が必要です。
また、腎盂腎炎(じんうじんえん)をくりかえすときには生まれつき膀胱から尿管に尿が逆流してしまう膀胱尿管逆流があることがあります。このため、逆流があるかどうかの検査をしたり、逆流がある場合には尿路感染症を予防するために少量の抗菌薬を毎晩飲んだりすることがあります。

さらに詳しく聞いてみたい方は、アプリメニュー内「子どもの健康・子育て相談」より、小児科オンラインの医師にご相談ください。
※電話やLINEのメッセージチャット・音声通話・動画通話で小児科医に相談できるサービスです。
※アプリ会員の方は【無料】で小児科オンラインをご利用いただけます。
小児科オンラインはこれからもお子さんの腎臓、感染症に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 佐藤舞)



★小児科オンラインのご利用方法について★

<アプリから、webサイトを開く>
①アプリ画面下のメニューをタップする。
②メニュー内の「産婦人科・小児科相談」をタップする。
③「小児科オンラインへ」を選択。
④注意事項を読み、「注意事項に同意する」にチェックする。
⑤「小児科オンラインを見る」をタップする。
⑥確認メッセージの「移動する」をタップする。
⑦webサイト「小児科オンライン for キッズリパブリック」が表示される。

<予約>
①サイト内の「さっそく相談する(無料)」をクリックする。
②希望の予約日時を選んで「予約する」をクリックする。
※初めて予約の場合、会員登録が必要です。
③予約情報を入力する。
④ユーザ情報を入力する。
※この画面で「ひみつの合言葉」の入力が必要です。
⑤予約内容の確認をする。
⑥予約完了後、予約確認メールが届く。

<当日の相談>
①スマートフォンに、10分前メールが届く。
②予約時間になったら、LINEや電話で小児科医に相談する。

便利でお得なキッズリパブリックアプリのダウンロードはこちら。

小児科オンラインジャーナル一覧へ戻る