小児科オンラインジャーナル

2017.11.30

「インフルエンザウイルスの感染」と「インフルエンザの発症」は同じ意味?

インフルエンザの流行期になると、インフルエンザについて調べたり、説明を受ける機会が増えますよね。その際に、説明に用いられる用語がややこしくて混乱してしまった経験はありませんか?医療関係者は正確なことを伝えるために、一見するとややこしい用語を使い分けているので、その一部を整理してご紹介しますね。

【前提「インフルエンザウイルスによってインフルエンザになる」】

言葉遊びのような文ですが、とても重要なポイントです。「インフルエンザウイルス」という原因ウイルスによって「インフルエンザ」という病気になります。インフルエンザウイルスという「原因ウイルス」とインフルエンザという「病気」の区別を覚えておきましょう。

【「インフルエンザにかかる」という言葉には3つのステップ】

インフルエンザにかかるには、3ステップあります。

第1ステップとして、インフルエンザウイルスが口や鼻から体内に入ります。

第2ステップでは、体の中に入ったインフルエンザウイルスが、細胞に侵入して増殖します。このステップを、インフルエンザウイルスの「感染」と呼びます。

第3ステップでは、インフルエンザウイルスがどんどん増え、数日後に(この間隔を潜伏期と呼びます)発熱やのどの痛みなどの症状が起こります。このステップをインフルエンザ(という病気)の「発症」と呼びます。

つまり一般的に用いられる「インフルエンザにかかる」という表現は、インフルエンザウイルスに「感染」し、さらに症状が出現してインフルエンザという病気を「発症」する、ことを短く表しているんですね。

【インフルエンザワクチンはインフルエンザの「発症」「重症化」を抑える効果があります】

インフルエンザワクチンはインフルエンザウイルスの「感染」を抑える効果はありません。そのため、インフルエンザウイルスが体内に入り感染しないようにするには「手洗い」が何より重要となります。

インフルエンザワクチンに効果があるのは、症状が出現する「発症」を抑えることです。発症すると、中には肺炎や脳症などが合併し「重症化」してしまう場合もありますが、その「重症化」を抑えることにもインフルエンザワクチンは効果があります。

インフルエンザワクチンの効果の程度については、正直不信感をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、その有効率についての解説は別の記事でご紹介しますね。

この記事でややこしい用語が少しでも整理されて、インフルエンザについて理解しやすくなってもらえたらと思います。

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(小児科医 安藤友久)



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