小児科オンラインジャーナル

2017.11.06

なんのため?溶連菌治療後の尿検査

高熱がでて小児科を受診。「溶連菌感染症です。腎炎になる可能性があるので、2週間後に尿検査をしましょう。」なんて言われたことはありませんか?

「腎炎??よくわからないけど、なんだか怖そう。」
「どうしてのどの病気なのに尿検査をする必要があるの?」
「尿検査以外で気にかける症状はあるの?」
「腎炎になったらどんな治療をするの?」

そんな疑問にお答えします。

【1. 溶連菌感染後に腎炎になることがあるため尿検査をします。】

溶連菌にかかると私たちの体の中で溶連菌を体から排除するために抗体が作られます。血液の中で溶連菌に抗体がくっつき、これが血液の流れに乗って腎臓に到達すると、腎臓で炎症が起こすことがあります。これが腎炎(正確には、溶連菌感染後糸球体腎炎という状態)です。

尿検査をすれば血尿があるものの、本人の症状はまったくないごく軽症なものから、一時的に腎臓の働きが悪くなり、尿がでなくなって、むくみや高血圧がでて透析を必要する重症なものまで様々です。ほとんどが自然に治り、腎臓に後遺症が残ることはまれです。

なお、溶連菌によるのどの感染症だけでなく、溶連菌が原因のとびひによる皮膚の感染症でも腎炎になることがあります。

【2. おしっこの量が減ったり、色が褐色になったり、体がむくんできたら再検査をおすすめします】

小児科では溶連菌と診断されたら、2週間後に尿検査を行うことが多いです。そして、尿検査で血尿や蛋白尿がみられれば腎炎と診断されます。ただ、のどの感染の1~3週間後、皮膚の感染の3~6週間後に腎炎になることが多いため、2週間後の検査では正常でも、その後に腎炎になることもあります。このため、最初の尿検査で異常がなくてもその後おしっこの量が減って、むくみがでたり、見ために褐色の尿がでたりしたときには病院を受診して、尿検査をもう一度確認してもらいましょう。

【3. 重症の腎炎では入院することもあります】

基本的には自然に治る病気ですが、逆に腎炎を直接治すお薬がないため、治るのを辛抱強く待つしかありません。血尿や軽い蛋白尿だけであればご自宅で様子をみながら定期的に病院に通うだけで大丈夫ですが、一時的に腎臓の働きが悪くなってむくみがでたり、血圧が高くなってしまう場合には入院が必要です。入院中はおしっこを出しすくする薬や血圧を下げるお薬を使って、腎炎による症状を抑えながら経過を見ます。

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(小児科医 佐藤舞)



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