熱さまシートや冷えピタといった商品名で知られている冷却ジェルシート(貼付型冷却剤)はこの20年間でとてもよく利用されるようになりました。ひんやりして気持ちがいいですよね。 でも冷却ジェルシートは誤解されていることや使用上注意しなければいけないこともあるので、確認しておきましょう。
【1. 解熱効果はありません】
実は冷却ジェルシートをおでこに貼っても、発熱時に全身の体温を下げる効果はありません。冷却ジェルシートは手に取るとわかるように、そのものは冷たくないですよね。ひんやりする理由は、シート中の水分が蒸発する気化熱にあるので、貼った部分の皮膚の温度を少し下げてくれるに過ぎません。うちわであおぐのと同じような効果といえるでしょう。全身の体温を下げるためには、タオルなどで包んだ保冷剤をわきやあしの付け根に当てるのがオススメです。
【2. 小さなお子さんの窒息事故の報告も】
使い勝手のいい冷却ジェルシートですが、使用には注意が必要です。過去には、生後4か月の赤ちゃんが、ずれてしまった冷却ジェルシートで鼻と口が塞がれ、窒息状態になってしまうという事故がありました。小さなお子さんに使用する際は、目を離さないでいましょう。
【3. 冷却ジェルシートはリラックスのために】
冷却ジェルシートは「ひんやりして気持ちがいい」ので、リラックスのために使うとよいでしょう。ハーブ香料が含まれている商品も多く、冷却効果も数時間持続するので、冷やしたタオルよりもリラックスには向いているかもしれませんね。
小児科オンラインはこれからもお子さんの発熱に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 安藤友久)
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