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2017.11.17(金)

3児のママ☆hitomiが気になる「子育てのギモン」
子育て真っ盛りのhitomiが専門家の先生に直撃!

hitomi×連載企画

Vol.2ゲスト:保育士 てぃ先生

第6回 子どもの自立心を育む上で大切なこととは?

3児のママであり、歌手としても活躍するhitomiさん。今回も前回に引き続き、保育士のてぃ先生を迎え、「子育てのあり方や子どもへの教育・しつけ、食育」をテーマに、お話を伺っていきます。第3回目の今日は、「子どもが自ら考え、行動できるようになるための自立心の育み方」について、保育のプロのてぃ先生にhitomiさんが疑問や意見を投げかけます! 

●失敗させたくない親心が、子どもの「失敗への恐れ」を生んでしまう

hitomiさん(以下、敬称略) 最近、うちの娘が何でも私に聞いてくるんですよね。「ママ、これどうするの?」「こっちでいい?」などと、何かある度に聞いてくるので、「ママも知らない。自分で考えなさい!」と時々突っぱねているのですが、こうして問いかけてくる裏には、どういう思いがあるのでしょうか?

てぃ先生(以下、注釈※参照) どのお子さんにもありますが、やっぱり「失敗したくない」という思いであったり、お父さんお母さんに「後で叱られたくない」という思いがあったりして、顔色を伺ってしまったり、許可を求めてしまう……ということはあるかもしれません。
 特に、一番上のお子さんは、親御さん自身も初めての子育てになるので、子どもに対して「出来るだけ失敗させたくない」との思いが強くなり、きめ細やかに対処したり、先回りしてやってあげることが多くなる場合があるんですね。そうすると、お子さん自身も、いざ一人で何かをやろうとする時に「これで大丈夫かなぁ? 出来ているのかなぁ?」と不安になってしまうことはあるのかなと思います。

hitomi なるほど……。うちの娘の場合も、そうした傾向はあるかもしれませんね。今は子どもも3人目になるので、「まぁ、なんとかなるだろう」と、大らかな気持ちで子育てできている部分は確かにあると思います。

てぃ先生 そうなんですね。最近、保育園でよく見かける光景があるんですが、保護者の方が来る催しで「お父さんお母さんと一緒に折り紙を折りましょう!」という時に、子どもが「これでいい?」と親や先生に何度も確認しているんですね。親御さんたちも、「ほら! この角がきちんと折れてないよ!」などと、まだ3歳くらいの子どもにとっては難しいことを求めていたりして、ちょっと驚く時があります。
 お絵かきの時にも、画用紙の真ん中に小さく絵を描いて、余白が多い子もいるんですが、それを見た親御さんが周りの子と見比べて「〇〇ちゃんはあんなに画用紙いっぱいに描いているのに、なんでこんなに小さく描くの? ほら、ここも余っているんだから描きなさい!」などと、つい口を挟んでしまう方もいます。折り紙もお絵かきも、作る楽しみだったり、その子の感性を大事にしたりする時間でもあるので、完璧じゃなくていいのですが、どうしても「楽しむことや感性を大事にすることよりも、ちゃんと出来ているか?」のほうが気になってしまうようです。

hitomi いやぁ、その気持ち、分かるかもです。自分の子どものこととなると、つい厳しい目で見てしまう、というか。ただ、なんでもかんでも親が口を出してしまうと、子ども自身の感じる力や考える力が育たなくなってしまうので、私自身もなるべく気を付けるようにはしているんですが、保育士の先生たちは普段、子どもの自立心を育む上でどんなことを心がけていらっしゃるんでしょうか?

●自分で考えて実践する。あえて失敗させるのも学び

てぃ先生 日々の子どもたちとの関わりの中では、「失敗してもいいから、自分で考えて実践すること」を大切にしています。例えば、保育園で食事をする時。一定の年齢を超えた子たちには、自分で食べられる分だけ、ごはんをよそってもらうようにしているんです。

hitomi そうなんですね! たくさん盛ってしまう子もいそうですけど(笑)。

てぃ先生 まさしく(笑)。特に男の子は調子に乗って、「これぐらい食べられるもん!」と山盛りの量を入れるんですけど、それに対して「この量は無理でしょ?」などと、注意はしないようにしています。実際、食べられなかったとしても、「ちょっと多かったね」と声をかけてあげるだけで、子どもって学ぶので、次は自分のお腹と相談して食べられる分だけよそうようになるんです。
 子どもたちも、その日の体調やお腹の減り具合で食べられる量は変わってくるので、毎日、親や大人が量を決めて食卓に出したとしても、結果的に食事を残すことにもつながってしまいます。何より、自分自身で感じたり、考えたりする力が育たなくなってしまいますからね。

hitomi ホントそうですね。「ごはんの量を自分で決める」という日常のささいな行動であっても、子ども自身の判断に任せることで、自ら考える力は育めそうですね。実は最近、娘に洋服を自分で選んでもらうようにしていまして。というのも、私自身が洋服が大好きなので、つい子どもの意見を聞かずに買って行ってしまうことが多いんですね。そうしたら、夫に「たとえ失敗して、変な洋服を選んでもいいから、“自分で選ぶ”ようにさせたほうがいいんじゃないかな?」と言われて。
 確かにそうだなと思ったので、先日娘と靴を買いに行った時に「ママ、何も言わないから自分で選んでみなさい」と言ったら、着ている洋服にまったく合わないキラキラの靴を選んできたんです。「え~! それ??」って、驚きましたけれど、自分で選びなさいと言っちゃった手前、仕方ないなと。「口を出さずに見守る」って、親にとっては修行だなと感じました(笑)。

てぃ先生 そうなんですか! でも、素敵なエピソードですね。親としては見ていてハラハラすることもあると思いますが、子どもの意思や行動に任せるというのは、とても大事なことだと思います。保育園でも、わざと保育士が手を貸さずに「子どもに任せる」ということをよくやっているんですよ。

●当たり前に出来ることこそ褒めると、自信につながる

てぃ先生 例えば、子どもが「積み木でお城作って!」と言ってきた時に、「先生、少しやらないといけないことがあるから、この前先生と一緒に積み上げた時のことを思い出して、自分でやってみてごらん」と、あえて一人でやってもらうんですね。もちろん「少しやらないといけないこと」なんて無いんですが(笑)。でもそうすると、試行錯誤しながらもなんとか自力でやり遂げていて、一歩成長したりすることがあるんです。
 お着替えもそうです。先日、2歳半ぐらいの女の子が半ズボンを「自分ではきたい!」と言うので任せてみたら、片方の足のところに両足が入っていたんです(笑)。本人は「出来た!」と自信満々だったので、いきなりは否定せず、「よしよし、出来たんだね!」とまずは受け止めてあげて。でも、歩こうとしてもなかなか歩けないので、「〇〇ちゃん、歩きづらそうだね。なんでかな?」と投げかけると、子どもはハッとして自分の間違いに気づくんですね。

hitomi その姿、想像するだけでかわいいですが、そうやって失敗してもいいから、まずは子ども自身にチャレンジをさせて、自ら気づかせることが大事なんですね。うちの2歳10カ月の長男もまさにお着替えの特訓中なので、チャレンジを見守っていきたいです!

てぃ先生 着替えるのがうまくなってきたら、「上手になったね!」などと、褒めてあげていただきたいです。お着替えとか、毎日のことになると、だんだん“出来て当たり前”になってきて、褒めること自体が少なくなってくると思いますので……。

hitomi 確かにそうですね。特に一番上の娘は小3になるので「もう出来て当たり前でしょ!」という目線で見ちゃうことが多くて。今日から早速褒めたいと思います(笑)。

てぃ先生 ぜひぜひ! 「靴ひも結ぶのがうまくなったね!」とか、「走るのが早くなったね!」とか、すでに当たり前に出来ていることでいいので、見つけて褒めてあげると、子どもは自信が持てるようになります。自信が持てると今度は他のことにも挑戦しようという気持ちになりますからね。

hitomi そうですよね。最近、娘に対しては叱ることが多かったので、優しく包み込んであげたいなと思います。時々、赤ちゃんに接するみたいに「いい子、いい子」したり、ぎゅっとハグしたりすると、「うざっ!」と言いながらも、まんざらでもない顔をするんです(笑)。

てぃ先生 きっと照れているんですね! 娘さん、内心はとってもうれしいんじゃないかなと思います。なかなか難しいことではありますが、親や大人は子どもの力を信じて見守ることと、チャレンジしたことを認めて褒めてあげること。それらが自立心を育む上でとても大切だと感じています。

――次回は、食べ物の好き嫌いや食べるスピードなど、「子どもの食のお悩み」について、hitomiさんがてぃ先生にお話を伺っていきます!
※「てぃ先生」として敬称込みでのお名前になりますので、文中全て「てぃ先生」と表記しております。

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