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2017.11.03(金)

3児のママ☆hitomiが気になる「子育てのギモン」
子育て真っ盛りのhitomiが専門家の先生に直撃!

hitomi×連載企画

Vol.2ゲスト:保育士 てぃ先生

第4回 周りを気にしすぎず、マイ育児を貫こう!

3児のママであり、歌手のhitomiさん。今回は、保育士のてぃ先生をゲストに迎え、「子育てのあり方や子どもへの教育・しつけ、食育」をテーマに、全4回に渡ってお話を伺っていきます。てぃ先生は、関東の保育園に勤める現役の男性保育士。保育園での日常や子どもたちのかわいらしい様子をつぶやいたTwitterが人気となり、フォロワーは40万人以上に。今、多くの保護者や保育関係者たちからも注目を集めています。保育のプロとして、日々子どもたちや保護者の皆さんと触れ合うてぃ先生に、子育て真っ盛りのhitomiさんがインタビュー。第1回目の今日は、「子育て中に大切にしたい心のスタンス」について本音トークが繰り広げられます。

hitomiが気になる「子育てのギモン」第4回 周りを気にしすぎず、マイ育児を貫こう!

●子どもも「世間で見せる表の顔」と「家で見せる裏の顔」がある

hitomiさん(以下、敬称略) てぃ先生は、保育園から直接この場に駆けつけてくださったんですよね。お忙しい中、ありがとうございます。保育士として、日々子どもたちや保護者の皆さんと触れ合う中で感じる「より良い子育てのあり方」や「子どもの教育・しつけ」などについてお話を伺えるとのことで、とても楽しみにしております。どうぞよろしくお願いします!

てぃ先生(以下、注釈※参照) はい、僕も子育てについてお話できる機会が持ててうれしいです。hitomiさんの歌のファンで、いつも聞いていた世代なので、「あのhitomiさんが3児のママになっている!」と、ちょっと驚きと感動を覚えました(笑)。

hitomi ですよね。私が一番、驚いているかもしれません(笑)。「あれ、気づいたら3人も子どもがいた!」みたいな感じですから。一番上の娘が9歳なので、ママになってもう9年。でも、まだまだ分からないことばかりです。

てぃ先生 僕も保育士になって10年目なので、ほぼ同期ですね! 保育園では子どもたちと毎日触れ合っているのですが、逆に実際のご家庭での「子育て」については分からないこともたくさんあって。「保育園ではニンジン食べたって聞きましたが、家ではぜんぜん食べてくれないんです!」などと、お母さんたちから言われることもあるので、ご家庭ではその子がどんな風に過ごしているのか、見えない部分も多々あります。

hitomi そうなんですね。うちの2歳10カ月になる長男は、今スクールに通わせているんですけど、先生に聞くと、家では出来ないことがスクールでは出来ていることがあって、びっくりすることもあるんです。運動会でも、子どもの姿を見ていると、「いつの間にこんなに高度なことが出来るようになったの!?」と驚いて、家での様子と全く違うなと感じることもあります。子どももすでに、「世間に見せる顔」と「家で見せる顔」の両面を持っているのかもしれませんね。

てぃ先生 表の顔と裏の顔、あると思いますよ。でも、僕自身はそれでいいかなと思っているんですよね。大人と同じように“外”ではカッコつけたり、頑張っちゃたりもしますが、家ではいつもの素の自分に戻ってしまう。そうやってオンオフのスイッチを交互に入れながら、ちょっとずつ出来ることが増えていったり、成長していくのかなと思うんです。

hitomi ホントそうですね。スクールなど外では頑張っているからこそ、家でのやんちゃぶりも少々目をつぶってあげてもいいのかなと思ったりもします。

てぃ先生 ただ僕自身、最近気になっているのは、子育てに関する情報があふれていることから、「いつ(何歳)までに何が出来ていないといけない」と、親御さんたちも追い詰められてしまいがちなこと。そうすると親も子どもも、窮屈になってしまわないだろうかと懸念しています。

●あふれる子育ての情報に成長を急かされてしまう……

hitomi 例えば、「トイレトレーニングはいつ頃から始めて、何歳までにはおむつを卒業したほうがいい」とかでしょうか?

てぃ先生 そうです。今はネットでも情報をすぐに入手出来ますし、周りからも「あれ、〇歳なのにまだおむつとれてないの?」と言われたりして、「うちの子も早く始めなきゃ!」と追い詰められてしまうんですよね。特にトイレトレーニングの時期は、その子自身の身体の発育によって異なってくるので、周りと比べるものではないのですが……。

hitomi うちもまさに、上のお兄ちゃんがトイレトレーニングの真っ最中なので、よくわかります。ただ、私の場合、トレーニングと言うほどぜんぜん頑張ってなくて(笑)。「トイレ行ってみようか」とか、時々声をかけるぐらいなんです。通っているスクールではトイレに行っているようなので、先生から「もうパンツをはいてもらっても大丈夫ですよ!」と言われるんですが、「え~!? パンツなんてまだ無理でしょ~」と。うちではそんな感じで特に急かすわけでもなく、タイミングを見計らっている状況なんです。

てぃ先生 自然な流れに任せていて、僕はいいと思います。一番上のお姉ちゃんの時はいかがでしたか?

hitomi 実は上の娘も、私がやる気がなかったせいか、遅かったんですが、特に気にしなかったんですね。本人がやろうと思ってやってみて、“出来る感覚”が増えてくると、だんだんそっちのほうが心地よくなってくるんじゃないかと。大人もそうですけど、やっぱり本人がやる気にならないと無理が出てくるじゃないかと思うんです。やる気が出るまで待ってみたり、やる気が出るタイミングを見逃さないようすることを大切にしてきたように思います。

てぃ先生 育児に対するスタンスが大らかですね。hitomiさんのお子さんはのびのびしていそうです。

hitomi いやぁ。大らかというか、雑というか。細かいことを気にしないので、周りのほうが「大丈夫??」って心配しているかもしれません。

てぃ先生 そうなんですか(笑)。トイレトレーニングに関して言えば、身体の成長に左右される部分が大きいんですね。いくら本人が「トイレに行きたい!」とか、親御さんが「行かせたい!」と思っても、まだ膀胱自体が小さいとおしっこが溜められないので、一日何十回もトイレに行かなくちゃいけなくなってしまうんです。最低でも2時間半は溜められるぐらいになって、初めてトイレトレーニングは完了できるので、何より子どもの身体の成長が伴っているかどうかが重要になってきます。ですので、焦ってトレーニングしたとしても無理があるんですね。

hitomi そうなんですね。子育ては分からないことだらけなので、焦ってしまうのも無理もないのかもしれませんが。やはり周りの意見や情報に惑わされてしまう部分が大きいのでしょうね……。

●周りの意見は参考程度に。目の前の子どもと向き合うことが大事

てぃ先生 僕が見る限りだと、おじいちゃん、おばあちゃんからの指摘やアドバイスに影響を受けすぎてしまったり、振り回されてしまったりするケースが多いように感じます。あと、意外にも見ず知らずの人からの指摘に心を痛めるお母さん方も少なくないのでは?と感じることもあります。

hitomi 身内でも知り合いでもないとなると、出かけた先で出会った見知らぬ人から指摘を受けるということでしょうか?

てぃ先生 はい。これは僕がたまたま目にした光景なんですが、電車の中であるお母さんがお子さんにスマホを渡して見せていたんですね。そしたらいきなり、見ず知らずのおじいちゃん世代の人が来て、「子どもにスマホなんて渡して!手遊びでもやってあげたらいいだろう」と文句をつけてきたんです。それにはさすがに驚いてしまって。

hitomi それはびっくりですし、お母さんもいきなりでショックを受けたでしょうね。今の育児のスタイルというのは、おじいちゃん・おばあちゃん世代から見ると、驚かれたりするところも多いのかなと思いますが。私も忙しくて手が離せない時や、公共の場で騒いじゃいけない時などは、スマホに頼って子どもにちょっと見せてしまうこともあります。でも、その一場面だけを見て、ダメだと決めつけられてしまうのはなんともつらいですね……。

てぃ先生 おっしゃる通りです。スマホを見せていたお母さんも、もしかしたら一日中子どもと一緒にいて、せめて電車に乗っている15分ぐらいは一息つきたかったり、お子さんに静かに座っていてもらいたい思いがあったかもしれません。スマホをたまたま見せていた、その一瞬の場面だけを切り取って、全てがダメだと決めつける意見は、受け入れ難いですよね。

他にも、公共の場で厳しく叱っているお母さんがいたとして、そこだけを見ると「キツ過ぎるのでは?」と感じるかもしれませんが、もしかしたら10秒前は優しくその子に諭していたかもしれないんですね。もし一部分だけを見て、否定してくる人がいたとしたら、真に受けずに時に流すことも大切だと思います。

hitomi それ、すごくよくわかります。実際、私もテレビのお仕事でそういったことがありまして。家族で密着取材を受けたんですが、その時に子どもの態度がよくなかったので、取材中ではありましたが、厳しく叱ったんですね。そしたら、そのシーンに対して視聴者の方から「そんなに怒るなんて、行き過ぎている」などと批判を受けたことがあったんです。
 私自身は自分の子どもに対して責任をとらなければいけないと思っているので、本気で叱る時ももちろんあります。それに対してあれこれ言われたとしても、「じゃあ、私の子どもの責任をとれるんですか?」とも言いたくなってしまって……。自分のやり方に決して自信があるわけではないですが、親として「子どものために必要だ」と思って取り組んだことに対しては、行き過ぎたことでない限り、周りの意見に惑わされず、貫いていいんじゃないかって思うんです。

てぃ先生 そのスタンス、良いと思います。僕自身も保育士の皆によく言っているのは、「相手に意見やアドバイスはしてもいいけれども、否定はしないでほしい」と。家庭によってそれぞれ事情も子育てのやり方も違うので、否定してもそれが当てはまるわけじゃないですから。意見やアドバイスを受ける側も、参考になるところは取り入れ、参考にならないところは聞き流していいと思うんです。そんな風に、周りに惑わされすぎず、目の前の大切なお子さんと向き合ってほしいなと思いますね。

hitomi てぃ先生とお話していて、もっと自分の子育てに自信を持ってもいいのかなって勇気を持てました。お話にも出てきた「子どもの叱り方」については日々悩むところですので、もっと詳しく聞かせていただけたらうれしいです!

――次回は「子どもの叱り方」をテーマに、hitomiさんとてぃ先生で濃いトークが展開します。お楽しみに!
※「てぃ先生」として敬称込みでのお名前になりますので、文中全て「てぃ先生」と表記しております。

(プロフィール)
てぃ先生
関東の保育園に勤務。保育士として働き始めて10年目になる。保育園での日常や子どもたちとの楽しいやり取りをありのままにつぶやくTwitterが人気となり、フォロワーは40万人を突破。「日本一有名な保育士」として、保護者や保育関係者からも多くの注目を集める。Twitterが原作となった漫画『てぃ先生』ほか、著書に『ハンバーガグー』『ほぉ...、ここがちきゅうのほいくえんか。』などがある。

hitomi
1994年デビュー。歌手活動やタレント活動の他、アパレルや美容ケア商品のディレクションなども手がける。育児セラピストの資格を取得し、多方面で活躍の場を広げている。2016年10月に第3子となる男の子を出産。現在、娘と息子2人の3児の母としても忙しい毎日を送る。娘が小学生になる時のワクワク感を歌詞に込めた「夢運んだランドセル」が2017年2月に配信リリース。NHK「みんなのうた」でもオンエア。日々の子育てをリアルに綴るオフィシャルブログはこちらから。

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