産婦人科オンラインジャーナル

2022.09.21

まだまだあった!授乳時の抱き方のバリエーションをお伝えします

交差横抱きや横抱き、フットボール抱き(脇抱き)、縦抱きや添い乳・添え乳など、授乳時の抱っこには様々なバリエーションがあります。赤ちゃんの発達や乳房の形、乳首の向きなどによってお母さんと赤ちゃんに合う抱き方が異なりますので、ご自身に合うものを探してみましょう!

■新生児の頃は、交差横抱きや横抱きを選ぶ人が多いです

交差横抱き

授乳の手技に慣れないときや、小さく生まれた赤ちゃんの授乳におすすめの抱き方です。

例:左側の乳房を吸わせる場合

1)赤ちゃんの顔がお母さんの左胸の前にくるよう、赤ちゃんを横向きに寝かせます。このとき、お母さんと赤ちゃんのお腹が向き合うようにします。

2)左手の手のひらで、左の乳房全体を支えます。

3)お母さんの右手で赤ちゃんの後頭部を支えます。右手の肘の内側から右手首にかけて、前腕を赤ちゃんの背中に沿わせるようにして支えます。

他にも、赤ちゃんがうまく吸いつけず、直接授乳で乳汁を十分に飲みとることができないときにも、分泌の維持や乳房の張りや痛みを和らげるために、搾乳が効果的な場合があります。

横抱き

交差横抱きに比べ、お母さんの手首への負担が少ない抱き方です。授乳に慣れてきたら取り入れる人が多いです。

例:左側の乳房を吸わせる場合

1)赤ちゃんの顔がお母さんの左胸の前にくるよう、横向きに寝かせます。(交差横抱きと同じ姿勢です。)

2)赤ちゃんの頭のてっぺんをお母さんの左肘の内側で、左手の手のひらで赤ちゃんのお尻を支えます。

交差横抱きで赤ちゃんの吸い付きが安定したら、そのまま横抱きにかえてもOKです。

■時にはフットボール抱き(脇抱き)も行ってみましょう

フットボール抱き(脇抱き)

赤ちゃんの下半身を、お母さんのわきの下を通して背中側にもっていく抱き方で、フットボールを抱えるように赤ちゃんを抱くことから、この名前がついています。乳房のボリュームがある人、乳首が外を向いている人、乳房の外側が張っているときなどに向いています。

例:左側の乳房を吸わせる場合

1)お母さんの左脇の下に赤ちゃんを寝かせます。(赤ちゃんの顔が左胸の前あたり、赤ちゃんの足がお母さんの背中側)このとき、赤ちゃんのお腹がお母さんの体側を向くように寝かせます。

2)赤ちゃんの後頭部を左手で支えます。お母さんの左手首~左肘の内側を赤ちゃんの背中に沿わせます。

3)お母さんの右手で左の乳房を支えます。

クッションなどを使って、お母さんの乳頭の高さと赤ちゃんの口の高さを合わせることが大切です。

■赤ちゃんの首が座ったら縦抱き、疲れた時には添い乳・添え乳もあります

縦抱き

赤ちゃんの首が座ってから取り入れやすい抱き方で、乳房のボリュームが少ない人に向いています。

例:左側の乳房を吸わせる場合(椅子に座って行う場合)

1)赤ちゃんがお母さんの左太ももをまたぐように座らせます。このとき、赤ちゃんの体とお母さんの体はピッタリくっつけます。

2)赤ちゃんの後頭部を左手で支えます。

3)お母さんの右手で、左の乳房を支えます。

添い乳・添え乳

お母さんが赤ちゃんに寄り添って横になった姿勢での授乳方法です。腰や手首を痛めている場合などに便利です。

例:左側の乳房を吸わせる場合

1)お母さんが左側を下に寝て、膝を垂直になるくらいに曲げます。太ももと胸の間のスペースに赤ちゃんを向かい合わせで寝かせます。(お母さんはちょっと高めの枕を使うようにすると、赤ちゃんと向き合う姿勢が作りやすくなります。)

2)赤ちゃんの頭をお母さんの左上腕に乗せて腕枕をし、左側の乳首と赤ちゃんの口の位置を合わせます。

3)右手で左乳を支えます。(赤ちゃんの姿勢が不安定な場合は、赤ちゃんの背中側にクッションを入れたり、右手で赤ちゃんの後頭部を支えたりしてみましょう。)

※ 添い乳はSIDS(乳幼児突然死症候群)の発生リスクを高めるという報告がありますので、赤ちゃんが呼吸できているかなどを確認しながら行いましょう。

授乳時の抱っこには様々なバリエーションがあるので、ご自身に合うものを探してみましょう。普段と違う抱き方を取り入れることで赤ちゃんが様々な角度からおっぱいを飲みとってくれるので、取りづらい乳房の張りやしこりが軽減することもありますよ。

さらに詳しく聞いてみたい方は、アプリメニュー内「産婦人科・小児科相談」より、産婦人科オンラインの医師、助産師にご相談ください。

※電話やLINEのメッセージチャット・音声通話・動画通話で産婦人科医または助産師に相談できるサービスです。
※アプリ会員の方は【無料】で産婦人科オンラインをご利用いただけます。

産婦人科オンラインはこれからも妊娠中・産後の不安や疑問を解決するために情報を発信していきます。
(助産師 中村早希)

便利でお得なキッズリパブリックアプリのダウンロードはこちら。

産婦人科オンラインジャーナル一覧に戻る