産婦人科オンラインジャーナル

2021.07.07

教えて!子どもをほめること・叱ること

子どもを叱ることやほめることに関しては、親も迷うことが多いものです。「何でもほめていると、善悪の区別がつかないのでは?」「赤ちゃんはいつから叱るもの?」など色々と疑問に思いますよね。
今回は、子どもに対しての「叱る・ほめる」について親としてどのように考えたらよいのかをお話します。

■1. 0歳のときの子どもの反応は個性として受け止めましょう

基本的に0歳の時は叱る必要はありません。何でも興味を示し、体験しながら成長している時期です。生後10ヶ月頃から少しずつ子どもの個性が出てきます。新しい場所やおもちゃに気後れして、初めはあまり馴染めなかったり遊べなかったりする子もいますし、初めてなんてお構いなしに振る舞う子もいます。親の価値観を一方的に押しつけてしまうと、親が思う通りに子どもが行動しないと子どもを叱ってしまい、親が後悔するケースがあります。子どもがどんな反応をしても、まず子どもの個性を認めるところから始めてみましょう。

では、子どもはいつから叱るものなのでしょうか。1歳を過ぎると親の言っていることがわかってきます。叱るというよりも、注意を促したり、声をかけていく時期です。2歳頃からは社会のルールを教え始めていく時期と考えて良いのではないでしょうか。

■2. 「それでいいよ」と伝えるためにほめましょう

ほめることはその行動を認めることになります。「できて当たり前」と思わずに、うまくできたことはしっかりとほめてあげましょう。「あなたの行動はそれでいいよ」と伝えるためにほめるのです。「静かにできていい子だったね」「大きな声で挨拶ができたね」など、「それでいいよ」ということをいわれると、子どもはできたことを認めてもらって嬉しくなります。

例えば、「ご飯を全部食べて偉いね、お母さんは嬉しいな」「おもちゃをお片付けできたね、お部屋がきれいになって気持ちいいね」など、具体的に行動そのものについてほめるといいですね。「すごい」「えらい」だけだと、何がすごいのか、子どもにはわかりにくいです。また、結果だけを捉えて、大げさにほめたりお菓子などのご褒美をあげたりすることが続くと、それが目的になってしまうかもしれません。

■3. 叱るときは、どのように行動したらよいかを伝えましょう

皆さんは、どのようなときに子どもを叱りますか。危ないときや、人の迷惑になるときが多いのではないでしょうか。危ない時は、安全な行動ができるように教えてあげなければなりません。

例えば、道路に飛び出してしまいそうな時は「だめ、あぶない」だけだと、子どもは何が危ないのか、どのように行動したらよいかがわかりません。「ストップ(止まって)」など、子どもにしてほしい動作について簡単な言葉で伝えると良いでしょう。叱るというよりは、「注意する」や「そのことをどう捉えたらよいか考えを共有する作業」といったほうが良いかもしれませんね。

「だめ」という言葉は、いきなり否定になるため使わないほうが良い、理由をきちんと説明するべきなど、賛否両論があるようです。幼稚園の年長までは、「だめ、触らないで」というのはわかりやすい伝え方の一つです。理由を説明することも大事ですが、小さい子どもにはわかりません。発達に合わせて、わかりやすい言葉を選ぶといいですね。

■4. ほめる・叱るはその場ですぐにすること、親もきちんと謝ることが大切です

叱る時や注意する時は、その場ですぐにしましょう。後から「あの時・・・」といわれても、子どもにはどの時のことか分かりません。ほめるときも同じです。

もし、感情的に叱ってしまったら、きちんと謝りましょう。大人も間違えることがありますし、感情を抑えることができないときがあります。「イライラしていて怒りすぎた。ごめんなさい」と理由を言いましょう。抱きしめたり、笑顔になるだけでは子どもにはわかりませんし、納得しません。子どもでも人間同士の思いやりの心を忘れずに接しましょう。きっとわかってくれますよ。

できて当たり前のことでも「きちんとできたね。お母さん(お父さん)は嬉しいな」と認めてあげると、「私は〇〇できた!」と子どもの自信にもなります。また、親の気持ちも伝えると、子どもはもっと嬉しい気持ちになります。できることから取り入れてみてくださいね。

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(助産師 河井恵美)

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