産婦人科オンラインジャーナル

2021.05.14

産後の生理っていつ始まるの?-生理再開の仕組みと産婦人科受診の目安

出産を終えて、「いつ生理がまた来るのだろう?」と考える方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、生理がどのような仕組みで再開するかについてお話します。

■妊娠中に生理が止まるのはホルモンバランスの変化の影響

生理が定期的にくるのは、脳-卵巣-子宮の間の絶妙なホルモンバランスのおかげです。
このバランスは妊娠の始まりから、つまり、受精卵が子宮に着床した段階から、胎盤が出来ていく間にも大きく変化します。胎盤からも、様々なホルモンが作られていて、生理がこない状態が続きます。そして、出産が終わり、胎盤が体外に出た時にはじめて、また元のホルモンバランスに戻ろうという力が働くのです。
ホルモンのバランスが元の状態に戻ってくるのは産後1ヶ月半程経った頃ですが、実際に生理が始まるタイミングは、授乳の影響のためとても個人差が大きいです。

■授乳もホルモンバランスに影響する

授乳中に脳から分泌されるプロラクチンというホルモンは、生理を起こさない方向へホルモンバランスを傾けます。そのため、授乳期間が長いほど生理の再開が遅れます。
一般的に、はじめから授乳をしていない場合、産後4~8週間後に生理が始まりますが、完全または混合母乳であれば更に遅れて再開します。授乳の頻度が高く、授乳期間が長いほど生理の再開は遅れます。卒乳後は約6週間で生理が再開することが多いようですが、授乳を続けている場合には半年以上再開しないことも少なくありません。再開後しばらくは月経周期が定期的でないため不安になるかもしれませんが、次第に周期が整っていきます。

■受診をお勧めする生理の乱れの目安を確認しましょう

産後の不正出血は授乳による生理周期の乱れであることがほとんどですが、注意すべき生理の乱れもあります。以下の場合は、一度産婦人科で診てもらった方が良いかもしれません。

*生理の量が異常に多い(昼用ナプキンを1時間で交換しないといけない、血の塊が混じっているなど)
*生理が頻回にある(月に2回以上)
*生理の間が3ヶ月以上空く
(ホルモンバランスが乱れている可能性があり、次の妊娠が難しくなる原因にもなります。)
*産後一年以上(授乳を続けている場合)、または卒乳後6週間経過しても月経がない場合

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(産婦人科医 尾市有里)

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