小児科オンラインジャーナル

2019.09.10

朝起きられない、学校への行き渋りー自律神経機能の低下が原因かも?

小学校高学年~中学校に通うお子さんから、だるさ、食欲不振、立ちくらみなどの症状が朝方に強く、朝なかなか起きられずに困っているとの相談を受けることが多くあります。「だらだら怠けている」と誤解されがちですが、「起立性調節障害」という病態が原因となっている場合がありますので紹介したいと思います。

■起立性調節障害は自律神経機能の低下が原因

思春期は身体の様々な機能が急激に変化し、自律神経機能にも影響を与えます。元々の体質に加えて、身体の変化の大きい時期の過剰なストレスが発症の契機となることもあります。自律神経機能障害の症状として、睡眠障害、消化器症状、精神症状(思考力の低下、イライラ)が生じます。

この自律神経機能障害は午前中に著しく、不登校に繋がることもあります。

起立性調節障害では、自律神経機能が低下しています。そのため、立ち上がった際に血管を十分に収縮できず、重力に逆らって心臓から脳に血流を送ることができず、立ちくらみや気持ち悪さ、失神などが起きます。

下記のような症状に当てはまる場合は起立性調節障害の可能性があるかもしれません。

・立ちくらみをする
・長時間の起立や入浴時に気持ちが悪くなる
・少し動くと動悸や息切れを感じる
・朝起きにくい
・顔色が青白い
・食欲がない
・腹痛や頭痛が多い
・疲れやすい
・乗り物に酔いやすい

■日常生活の工夫で改善されることもあります

起立性調節障害ではまず日常生活の工夫が大切です。下記のことを心がけてみましょう。

・水分を多めに摂取する
・塩分を多めに摂取する
・立ち上がる時はゆっくりと立ち上がる
・早寝早起きの生活リズムにする
・朝しっかりと日光を浴びる
・軽い運動習慣を身につける

それでも日常生活への支障が大きい場合には薬物治療を行うこともあります。その他の身体疾患の可能性もありますので、医療機関でのご相談をおすすめします。

■不登校が続くことも珍しくありません

様々な対応をしても朝起きることが困難な場合には、症状が落ち着いてから登校を促してください。学校とも情報共有し、午後からの登校や別室登校などを相談してみるのもよいでしょう。登校が難しい場合には、本人の好きな場所へ居心地のよい人と一緒に外出し、日中に身体を動かすこと、社会との繋がりを持ち続けることが重要です。この病気にかかるのは、真面目で周囲に気遣いのできる、過剰適応気味のお子さんが多く、精神的なトラブル・疲労からのSOSである可能性もありますので、専門家(小児科、児童精神科)への相談と十分な休養が必要です。

朝起きが悪いと、お子さんも、起こす家族側もイライラして、親子関係の悪化に繋がることもあります。身体の病気であり本人が頑張ればどうにかなるものではありませんので、まずは焦らずに相談してください。

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(小児科医 室伏佑香)



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