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2017.11.24(金)

3児のママ☆hitomiが気になる「子育てのギモン」
子育て真っ盛りのhitomiが専門家の先生に直撃!

hitomi×連載企画

Vol.2ゲスト:保育士 てぃ先生

第7回 好き嫌いや食べるスピード……子どもの「食のお悩み」対処法!

3児のママであり、歌手としても活躍するhitomiさん。今回も前回に引き続き、保育士のてぃ先生を迎え、「子育てのあり方や子どもへの教育・しつけ、食育」をテーマに、お話を伺っていきます。第4回目の今日は、子どもの好き嫌いや食べるスピードなど、「食」にまつわるお悩みについて、hitomiさんが保育のプロのてぃ先生に投げかけます!

●子どもの好き嫌いが多くなるのはワケがある!

hitomiさん(以下、敬称略) もうすぐ3歳になる長男なんですが、離乳食ではトマトを食べていたのに、最近は「嫌だ!」と拒んで食べてくれないんですね。自我が芽生えてきたせいか、苦手な味や好みの味を見分けるようになってきたみたいなんです。

てぃ先生(以下、注釈※参照) 確かに自分自身で感じたり、判断できるようになったりすると、今まで食べていたものを突然受けつけなくなるケースはよくありますよね。最近は、トマトやブロッコリーが苦手な子が多くて、昔から子どもの苦手な食材としてポピュラーだった、にんじんやピーマンよりも上位に来ているんですよ。

hitomi そうなんですね! にんじんやピーマンは細かく刻んで食材に混ぜたりすると食べやすくなりますが、トマトの酸味やブロッコリーの食感って独特なので、調理してもなかなかごまかせないですものね。私も子どもの頃はトマトが苦手だったので、わかる気がします。

てぃ先生 よく子どもの頃に食べられなかったものが、大人になったら食べられるようになった、ということがありますが、それは子どもと大人の「舌」に違いがあるからなんです。私たち人間の舌には「味蕾(みらい)」という味を感じるセンサーがあるんですが、子どもは大人に比べてその機能が発達していて、特に苦味や酸味は敏感に感じやすいんですね。食べ物を口に入れて苦味や酸味を感じると、「毒だ!」と認識して、体から排除しようとするようなのです。でも、その機能は大人になるにつれ、衰えていくので、苦味や酸味も子どもの頃より感じにくくなると言われています。

hitomi 子どもの舌は、大人よりも敏感に出来ているんですね! 苦味も酸味も大人より感じやすいからこそ、食べ物の好き嫌いも必然的に多くなってしまうんでしょうね。

てぃ先生 まさにそうだと思います。ですので、今、子どもが苦手な食材があるからと言って、この先も食べられないだろう……と悲観的にならなくていいというか。「今は食べられなくても、いつかは食べられるだろう」と気楽に構えていただいたほうが良いかと思います。

hitomi ホントそうですね。私も、いつかは食べてくれるだろうと思いつつ、でも苦手だからと言って全く食卓に出さないのではなく、ちょこちょこ出すようにしています。いつも子どもたちには「嫌かもしれないけど、一口だけ食べてみよう!」と言って、「一口チャレンジ」をするようにしているんです。

●子どもの野菜嫌い克服で効果の高い「段階チャレンジ」

てぃ先生 それはとてもいいですね! ほんの一口だけでも食べてみて大丈夫だったら、「次も食べてみよう!」と思えますからね。

hitomi そうなんです。うちの一番上の娘も苦手な野菜が多かったんですけど、その方法で野菜嫌いがなくなりました。嫌いだからと言って、チャレンジをしないでそのまま受け入れてしまうと本当に食べなくなっちゃうかなと思いまして。

てぃ先生 確かにそうですね。hitomiさんのように「一口チャレンジ」ももちろんいいですが、一口食べるのも勇気がいる子については、「段階を踏む」という方法もあるかなと思います。よく保育園で行っているんですが、例えば「きゅうり」が苦手な子がいたら、まずは「きゅうりを見てみよう!」と観察するところから始めるんですね。次に、「匂いをかいでみよう」と一段階チャレンジして、匂いが大丈夫だったら、今度は「ちょっとなめてみよう」ともう一段階進めるんです。「なめてみて、味はどうだった?」と聞いてみて、大丈夫そうだったら、「じゃあ、ちょっとかじってみようか!」と促して、お口の中へ。そうやって段階を踏みながらチャレンジしていくと、食べてくれることが多いんです。五感をフルに使って野菜と向き合う感じですが、これは結構おすすめです。

hitomi なるほど。「段階チャレンジ」、いいですね! うちの子たちにも早速やってみます! 他にも野菜嫌いを克服する方法ってありますか?

てぃ先生 よくおすすめしているのは、何でも良いのでお手伝いをさせてあげることです。野菜を洗ったり、塩もみをしたり、年齢によってはピーラーや包丁を使って一緒に作るのもいいですね。「これはママ(パパ)と一緒に作ったんだ!」という嬉しさや、「自分で作った!」という達成感を味わうと、より美味しく感じるみたいで、子どもはよく食べてくれます。食べている最中も「お手伝いしてくれたから、とっても美味しいね!」なんて褒めてあげると、次につなげられますよ。
 あとは、親御さんにとってはちょっとハードル上がってしまうかもしれませんが、なるべく「旬」の野菜を食卓に出すことです。旬のものは苦味がなくておいしく食べられますし、子どもにも「この野菜は今が一番おいしいんだよ!」と季節の食材を教えてあげられますからね。

hitomi まさに「食育」ですね。そういえば、私も苦手なトマトを好きになれたのは、親戚のおうちで採れた新鮮なトマトを食べた時からでした。やっぱり旬のものは、味もみずみずしさも違いますものね。スーパーに行くと、一年中同じ野菜が手に入りますが、なるべく旬のものを意識して調理したいと思います。
 一番上の娘は、野菜嫌いはなくなったんですけど、食べるのが遅くてですね。ハンバーグやグラタンといった大好物のメニューは比較的早く食べられるんですけど、好みじゃないおかずは食が進まないのか、ダラダラ食べるのでイライラしてしまって(笑)。子どもの食べるスピードが気になる場合は、どのように対処していったらいいのでしょうか?

●ダラダラ食べはNG。時間を決めてメリハリよく!

てぃ先生 そうですね。やはり「時間を決めて区切る」ことが大切かなと思います。保育園の場合、食べるのに時間がかかり過ぎるとお昼寝の時間に差し掛かってしまって、子ども自身の生活リズムに支障が出てきてしまうので、一定の年齢を超えたら「〇時になったら、ごちそうさまにしようね!」と伝えて、「時間意識」を持ってもらうようにしています。また、食べるのに時間がかかりそうな子については、何人かでグループを作って先に食べ始めるようにしていますね。

hitomi 時間を決めて区切ることは、子どもの生活リズムを整える上でも大事なことなんですね。

てぃ先生 時間が過ぎたら、いつまでもダラダラと食べずに、“片づける”という切り替えも大事かと思います。一旦、片づけて後でお腹が空いたらまた食べるというのも、メリハリがなくなってしまうので、あまりおすすめはできません。子どもたちには、「後でお腹が空いちゃうから、この時間にしっかり食べておこう!」と、“一食一食に対する意識”を持ってもらうことが大切かなと思います。

hitomi 確かに、「後でお腹空いたらお菓子を食べればいいや……」などと癖づいてしまうと良くないですものね。わが家でもしっかり食事時間を決めて、メリハリよく食べさせたいと思います。
 ただ、小さい子ですと、食べ物で遊んでしまってなかなか食べてくれない時もありますよね。そういう場合はどうしたらいいでしょうか?

てぃ先生 よく「食べ物で遊んではいけません!」と大人は注意してしまいがちですが、1歳ぐらいまでの小さい子どもはその食べ物がどんな手触りなのか、どんな食感なのか試してみたいと好奇心いっぱいなんですね。ですので、そこは目をつぶって自由にやらせてあげるとよいかと思います。もし1歳を過ぎて、3、4歳になっても食べ物で遊びたがるようでしたら、ぜひ気が済むまでやらせてあげていただきたいです。なぜかと言うと、食べ物を通してあれこれ“実験”する、試行錯誤の時間がまだ足りていないからなんですね。十分に経験させて、好奇心を満たしてあげると自然とやらなくなりますので、見守っていただけたらと思います。

hitomi そうなんですか!1歳の次男はいつもごはんをぐちゃぐちゃにして、顔に塗るんじゃないかというぐらいの勢いですが(笑)、彼なりに“実験”しているのでしたら、見守りつつ自由にやらせてあげたいですね。てぃ先生から色々とお話を伺って、毎日の食事には、身体だけではなく、心を成長させるためのヒントがいっぱいあふれているんだと気づきました。親としては毎日のことで大変なことも多いですが、あまりヤキモキせずに気長に向き合っていきたいなと思います。

※「てぃ先生」として敬称込みでのお名前になりますので、文中全て「てぃ先生」と表記しております。

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