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2017.11.10(金)

3児のママ☆hitomiが気になる「子育てのギモン」
子育て真っ盛りのhitomiが専門家の先生に直撃!

hitomi×連載企画

Vol.2ゲスト:保育士 てぃ先生

第5回 子どもの心に届く叱り方とは?

3児のママであり、歌手としても活躍するhitomiさん。今回も前回に引き続き、保育士のてぃ先生を迎え、「子育てのあり方や子どもへの教育・しつけ、食育」をテーマに、お話を伺っていきます。第2回目の今日は、気になる「子どもの叱り方」について、保育のプロのてぃ先生にhitomiさんが疑問を投げかけます!

●「叱る」と「怒る」は違う。怒った後に残るものとは?

hitomiさん(以下、敬称略) 叱らなくてもいい「良い子」なんだったら、私も楽なのですが、うちの子たちはそうも行かず……。余裕がある時は「それはこういうことだから、ダメだよね」と優しく言えても、いつもは「こら!!」と頭ごなしに叱ることもしょっちゅうです。保育士の先生たちは子どもたちに叱る時、どんな風に伝えているんでしょうか?

てぃ先生(以下、注釈※参照) 保育士も人間なので、子どもたちの態度にプチっと頭に来て怒りたくなることもあります。でも、そういう場面に直面した時、保育士としてはグッと気持ちをこらえ、「叱るのと怒るのは違う」ということを意識しながら伝えるようにしてるんですね。「『叱るのは子どものためを思って注意すること』。『怒るのは、大人の都合で感情のままに注意すること』。その差を常に意識しながら伝えようね」と保育士の皆に伝えています。

hitomi 確かに、「叱る」と「怒る」では違いますものね。私の場合は、どうでしょう……。一緒になっちゃってることが多いかもしれません(笑)。

てぃ先生 もちろん、それを瞬時に意識しながら伝えるのは難しいですものね。周囲のお母さんたちがよく言っているのは、「子どもにわぁーっと怒りすぎて、昼間なんであんなことを言っちゃったんだろうと夜になって後悔する」と。子どもの寝顔を見てる時に「ごめんね」と思うお母さんが多いみたいで、そういうお話を聞く度に、親御さんたちの後悔する頻度を減らすためにも、「叱ると怒るの違い」をちょっと意識しながら伝えられるといいんじゃないかなって思うんです。

hitomi 自分の都合で感情のままに怒ってしまうと、確かに罪悪感だったり、後味が悪い感覚が残りますものね。私自身は、常々「子どもたちの一番の理解者でありたい」と思っています。「あなたを愛する一番の人でありたい」と思うからこそ、「こら~!! 何やってるんだ!」と本気で叱る。子どもがいけないことをしたり、間違ったことをしたと思ったら、周りに誰がいようがガツンと言っちゃいます。
 人前だから言わないようにしよう、優しい言い方にしようとすると、子どもってナメるんですよね。「こういう人たちの前だとお父さん、お母さんは怒らないから、ふざけててもいいだろう」って。

てぃ先生 子どもは賢いですからね。保育園でも「お誕生日会」とかお父さん、お母さんが来る催しのある日は「先生たちはいつもより優しい」って分かっていますから、ちょっと悪ふざけも多い(笑)。大人がどういう時に態度を変えるかをよく見ているんです……。

hitomi やっぱり、そうなんですね! なので、私も「周りに皆がいるからって、ママ怒らないわけじゃないからね!」って子どもに釘を刺しておくんです。いつもこんな感じなんですけど、私の叱り方ってハード過ぎますかね(笑)?

●頭ごなしに叱る前に、「なぜそういう行動をしたのか?」を考える

てぃ先生 いえいえ! hitomiさんは常にお子さんを思って、本気で体当たりしているから、伝わっていると思いますよ。上辺じゃないですから。小手先で言っても、子どもは見抜いてしまいますからね。

hitomi そうなんですね。親の愛情、伝わっているといいんですが。保育士の先生たちも、子どもたちの心に届けるために何か心がけていらっしゃることはあるんでしょうか?

てぃ先生 保育園で子どもたちに接する時には、「なぜ、その子はこういう行動をしたのか?」を考えたり、本人に直接聞くようにしています。これは実際にあった例なんですけど、ある子どもが、絵本が入った本棚に登っていたんですね。「なんでそこに登っているの?」と聞いてみたら、「ここに登ったら、先生と同じ背の高さになるから、お部屋がどういう風に見えるのか、見てみたかったんだ」と。
 それを聞いたら、頭ごなしに「ダメ!」「危ないから降りなさい!」とも言えなくなるというか。「そうか、わかった、わかった。お部屋はどんな風に見えたの?」と聞いて、「じゃあ、降りようか」と言うと、すんなり降りるんですね。「危ないから今すぐ降りなさい!」と言うのと、なぜ登ったかを理解した上で「降りなさい」と言うのとでは、子どもの受け止め方は違ってくると思うんです。

hitomi なるほど。子どもは大人に「自分のしたことを理解してほしい」とか、「自分の気持ちを分かってほしい」という思いがあるということでしょうか?

てぃ先生 そうなんです。よく子どもが何度も同じことをやって、親御さんが「何度言ったら分かるの!!」と怒る時があると思うんですけど、子どもの立場からすると「なんでお父さん、お母さんは、僕(私)の気持ちを分かってくれないんだろう?」と思っていることが多いんですね。分かってくれないからこそ、何度も同じことを繰り返して見せているので、もしお子さんがそういったことをするなら、理由を聞いて受け止めてあげるといいかもしれません。

hitomi 子どもの立場や目線に立つことが大事なんですね。一番下の息子は、コップの水にミニカーをポチャンと入れてみたり、まぁ色々とやってくれるんですが、「どういうつもりでやっているんだろう?」とじっくり見ていると、きっと“水の中に入れる感覚”が楽しかったり、不思議だなと思いながら何か想像を膨らましているんじゃないかと思うんですね。
 でも、急いでいると、「はい、ダメ~!」とすぐ片付けちゃうことも多くて。子どもなりに色々と“実験”している時間を見守ることも大切なんだなと感じました。

●子どもが同じことを繰り返す、もう一つの理由とは?

てぃ先生 hitomiさんがおっしゃったように、子どもってホントに毎日“実験”しているんですね。これは1歳にも満たない赤ちゃんもそうなんですが、例えば、ごはんを食べている時にたまたまフォークが床に落ちたとしますよね。それをお母さんが洗って元に戻すと、また床にポンと落とすんです。それを何回も繰り返されると、さすがにお母さんも「なんでわざと落とすの?」とイライラすると思うんですが、これはまさに実験の真っ最中なんです。「今、たまたま落ちて、フォークがカランと鳴ったけど、また落としたらカランと鳴るのかな?」って。

hitomi え、そうなんですか! 一番下の息子もマグをポーンと落とすんですけど、私が拾わないでいると「あ~!!」と騒いで、「拾って!」の合図をするんですね。拾ってあげるとまた落とすので、イライラしてマグを遠くに追いやってしまうんですけど、それは彼なりに実験してるんですね。

てぃ先生 そこでとことん付き合ってあげると、次からは落とさなくなりますよ。お子さんの中でなんらかの実験の確証が取れるので、もう落とす必要がなくなるんです。

hitomi ホントですか! 次、息子がやり始めたら、実験の“助手”だと思って、付き合ってあげようと思います。もちろん“出来る範囲で”ですが。

てぃ先生 そうですね。それぞれの親御さんの限度の中で付き合ってあげると良いかと思います。

hitomi 日々、仕事や家事、育児で忙しいと、どうしても親の都合に合わせたくなってしまうというか。自分の思う通りに動いてくれなかったり、予想に反した行動をしたりするから、怒りたくなるのかもしれませんね。

てぃ先生 親がイライラするのは、子どもへの期待が外れた時ですよね。「お外に行こうよ!」と言っているのに、「靴、はかない!」と言い出したり。「お片づけしようよ!」と言っているのに、遊んじゃって片づけをしなかったり。特にイヤイヤ期は何に対しても反抗する時期なので、大人も気持ちの余裕を持たないとつらいですよね。
 毎朝、玄関で「靴をはく、はかない」の押し問答をやるのであれば、それを見越して30分早く起きるようにするとか、余裕を持つための対策が必要かもしれません。

hitomi そこで「嫌じゃない! 今すぐ靴をはきなさい!」と言っちゃいそうになりますが、やはり子どもの「嫌だと思う気持ち」を受け止めてあげたほうがいいでしょうか?

てぃ先生 そうですね。「そうか~嫌なんだね。はきたくないよね。ママもお外行きたくないもん」と、お子さんと同じように「イヤイヤ仲間」になってみるとよいかと。その時間と気持ちの余裕を持つためにも「30分の早起き」はおすすめです。これがいつまでも続くと思うとつらいですが、一生のうちの一時期だと思うと気も楽になるかもしれません。

hitomi 確かに時間を前倒しすると、心穏やかに朝を乗り切れそうです。気持ちの余裕を持つ工夫は、子どもだけじゃなくて、親自身のためにも必要ですものね。てぃ先生から教えていただいた子どもへの接し方も取り入れつつ、でもガツンと言う時はガツンと体当たりで、愛情をいろんなカタチで伝えていきたいと思います。

――次回は「子どもが自ら考え、行動できるための自立心の育み方」について、hitomiさんがてぃ先生にお話を伺っていきます!
※「てぃ先生」として敬称込みでのお名前になりますので、文中全て「てぃ先生」と表記しております。

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